ほとんどの企業文化はまだデータ中心になっていない。

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希望は永遠に湧き出るものだ。特にビッグデータに関しては。ビッグデータ・プロジェクトは、これまで大した成果を残しておらず、大失敗とも言えるのだが、それでも巨額の資金が投入され続けている。2013年には310億ドルに達し、2018年までには1,140億ドルを上回ると予想されている。

だが、先日のCapgemini の報告によれば、60%の企業幹部がビッグデータは3年以内に業界を一変させると考えているようだ。一方、自社の計画が「非常に成功している」のはわずか8%で、27%は自社の努力が「成功している」と回答している。

企業が多額のコストをかけていることを考えれば、より大きな見返りを望むのは当然のことだ。しかし、本当の成功は単にテクノロジーを操るだけでなく、企業文化がデータとの親和性をもつことによって達成されるのだ。

完全なる失敗

データが内包する価値に異議を唱える者はいないようだし、データはあればあるほどよい。Capgeminiの調査では、回答者全体の60%がビッグデータは自分たちの業界でまず成功し、世界を変えるだろうと考えている。

だが、ビッグデータ戦略の情勢について尋ねてみると、厳しい現実を突きつけられるのだ。

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ビッグデータに注目してきた人にとって、それは目新しいニュースではない。何しろ、誰もがビッグデータに飛びつく一方で、それを活用する方法はほとんど誰も知らないということをGartnerは数年前に見抜いていたのだから。

ビッグデータ・プロジェクトが失敗した原因について、その答えは「状況により異なる」と言えるだろう。原因のいくつかは企業文化によるもので(「組織全体で上手くチーム運営ができなかった」など)、他はもっと容易に修正できることだった(「レガシー・システムへの依存」など)。

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このリストを見てみると、短期間で物事を改善するのはいかに困難かがわかる。

古いデータに新しいデータ技術を組み込む

業者の中には「データレイク」を問題解決の第一手段として売り込む企業もある。Capgeminiの調査では79%の企業が、組織全体のデータソースを完全には統合していない。データレイクの提唱者らは、その解決は容易だと主張している。データレイクを導入すれば企業がデータを標準化する必要はなく、その代わりデータをオリジナルのフォーマットで保持し、一つの大きなリポジトリで保存することができるというわけだ。

これは簡単なように思えるが、実際に有用かどうかは不明だ。

そんなデータレイクが「Hadump」と呼ばれるのを聞いたことがあるが、これは分散ストレージの枠組みをもつHadoopをかけたありがたくないシャレだ。全てのデータが一か所に存在するというだけで有用とは限らないことを言い表しているのだ。Gartnerのアナリスト、ニック・ヒューデッカーはこのように指摘している。

データレイクの根本的な問題は、データレイクによって、情報を扱う人々がある種引き受けなければならない部分があることです。彼らは、データがどのように得られたかという文脈上のバイアスを認識・理解しなければなりません。その後、「先入観的な知識」をもたずに異なるデータソースを統合・調整し、ストラクチャに関係なくデータセットの不完全性という本質を理解することが前提となります。

したがって、失敗の一部はHadoopに刺激を受けた目新しいデータレイクによるものである。一方で、はるかに多くの失敗は旧式データ・インフラ(例えばリレーショナル・データベース)を最新データ(ごちゃ混ぜで、バラバラで、たくさんの)に適合しようとして起きている。

企業文化の問題

しかし、なかなか認識されていないのだが、失敗の最大の原因は他にある。ほとんどの企業が単にデータ中心の企業文化ではないというものだ。失敗した企業はせいぜい「ビッグデータ」をプロジェクト完成予定日を決定するために、便宜上名前をつけているに過ぎない。

したがって、Capgeminiの報告が示しているとおり、成功する態勢は整っていないとうわけだ。

ビッグデータの導入を成功させるためには多くの要因がある。しかし、われわれがこれまで見てきた成功事例を考えると、ただ一つの最大の要因は、強力な経営モデルが必要だということだ。この経営モデルには多様で独特な要素が含まれるが、とりわけ、組織構造を明確に定義すること、組織的な導入計画を立てること、強力なリーダーシップによる支援が必要だ。

これらの3つそれぞれが、データ中心のアプローチを採用し、その価値を理解する企業文化と強く結びついていなくてはならない。

また、私はZoomdataのジャスティン・ランセスに先日言われたことを付言したい。それは、適切な設計がビッグデータ・プロジェクトを成功させるのに不可欠な要素だということだ。単にデータ・サイエンスの専門家だけでなく、企業内の誰にとってもデータが意味あるものでなければ、最高のビッグデータ・プロジェクトとは言えないのだ。

要するに、ビッグデータの成功はデータに対する企業文化の親和性から導かれるものであり、組織内の強力なリーダーによって誘発されることもある。しかし結局のところは、企業全体、そしてそのビジネスの考え方に合致していなければならない。

トップ画像提供:Shutterstock

Matt Asay
[原文]