自由の女神がなぜかいろんなポーズをとっている「自由すぎる女神」など

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ガチャガチャやガチャポンという言葉を聞いて、「子供向けでしょ?」「マニアが集めるものでは?」と思った人は、ムーブメントに乗り遅れていると言えるだろう。

【写真を見る】「パイロット コスプレの女の子」(写真左)、「CA コスプレの女の子」(同右)などを含む「東京フィギュアみやげ」はそれぞれ羽田空港第1・2ターミナル限定の商品

子供向けの玩具として生まれたガチャガチャだが、今や大人たちをターゲットとした商品が次々と登場し、新たな市場を作り出している。思わず“大人買い”したくなるほどハマる“大人向けガチャ”の人気の秘密に迫った。

アメリカで生まれ、日本に1965年に輸入されたガチャガチャ(カプセルトイ)は、1970年代後半の「スーパーカー」シリーズ、1980年代の「キン肉マン」シリーズなどの大ヒットによって一気に普及した。

現在は年間約270億円の市場へと成長している。コレクター魂に火が付いた、経済力のある大人がガチャガチャの醍醐味を満喫しているのだ。

約500台を並べ“カプセルトイの聖地”となっている秋葉原ガチャポン会館の店主、河野陽さんは「2年ほど前から流れが変わった」と語る。

これまではアニメキャラクターなどのグッズ“キャラもの”や、動物などのミニチュアシリーズが主流だったが、2012年に発売されたガチャオリジナルのキャラ作品“ノンキャラもの”にあたる「コップのフチ子」(奇譚クラブ)が大ヒット。

以降、「コップのフチ子」のようなユニークな製品が増えたことで、これまでの購買層とは少し違う“大人のガチャ好き”が増加することになったという。

従来、ガチャガチャの設置場所はスーパーマーケットや玩具店など、子どもが集まる場所が中心だったが、今やヴィレッジヴァンガード、東急ハンズ、パルコといった大人が足を運ぶ場所に数多く設置されている。

これは購買層が確実に広がっていることの現れだろう。また、ケンエレファントから発売されている羽田空港限定の「東京フィギュアみやげ」や、新千歳空港限定「北海道フィギュアみやげ」など地域限定のカプセルトイシリーズも登場。精工な作りでマニア心をくすぐるだけでなく、土産としても人気を集めるなど、幅広い展開を見せている。

前述の秋葉原ガチャポン会館でもひと際異彩を放ち、かつ人気のガチャブランドが存在する。重機をカラッと揚げた「唐揚げ工務店」、自由の女神がいろいろなポーズをとっている「自由すぎる女神」など、シュールな製品を次々と生み出しているタカラトミーアーツのガチャブランド、パンダの穴だ。

なぜ、こんなブランドが誕生したのか? その疑問を解消するべく、去る2月9日に幕張メッセで行われた日本最大のガレージキットイベント「ワンダーフェスティバル」に出展した同ブランドのブースに突撃した。

タカラトミーアーツ ガチャ・キャンディ事業部の羽場弘明さんによれば、エッジが効いた商品誕生の経緯は「広告製作会社側から『こんなことができないか』と企画を持ちかけられたのがきっかけ」とのこと。

シュールな商品だけに困難があったのではと思いきや、「ある程度はいけるんじゃないかな…と。そこは長年のガチャ屋のカンです」。

「面白いものを作りたい」という広告製作会社のクリエイティビティと、老舗メーカーが持つノウハウ、この2つが融合して生まれたブランドがパンダの穴なのだ。

2013年9月に登場し、現在13種類を販売。2014年末の段階で累計200万個を売り上げたというから、“ガチャ屋のカン”には敬服するしかない。

題材のシュールさもさることながら、キャラクターデザイン、筐体(器具の箱)前面にあるディスプレイなど、細部に至るまでビジュアルが洗練されていることも特徴だ。

昔やった「ガチャガチャ」の懐かしさと、デスク周りにさりげなく置いても「何コレかわいい!」とウケること請け合いの見た目…。これが“大人のガチャ好き”を多数生んでいる理由だろう。ちなみにこれまで出した企画はなんと100案以上!

5月発売予定の「山本(やまほん)くん」は本好きの文学青年がモチーフで、実際に読めるミニチュアサイズの本「豆本」が付くという世界初(!?)のガチャガチャ。

また、タカラトミーアーツでは「ガチャ検索」という業界初の試みも行っており、WEBとアプリで自分の欲しいタカラトミーアーツのカプセルトイがどこで販売されているのかがすぐに分かる。

童心に帰れるだけではなく、大人たちの日常に新たな楽しみをプラスしてくれるガチャガチャから目が離せない!【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】

※記事の内容は、無料スマホマガジン「週刊ジョージア」から一部抜粋、再構成したものです