蒼井優と鈴木杏が素顔トーク全開!名作『花とアリス』続編公開で10代を振り返る
「岩井さんから、今アニメーション作ってるから、声よろしくね。みたいなメールが来て。飲みに行こうくらいのノリだったから、まさか、こうやって取材を受けるような規模の作品だとは思ってなかった(蒼井)」、「そうだよね。『花とアリス』がアニメになるからって。メールを見ても最初はピンと来なかった(鈴木)」と振り返る蒼井優さんと鈴木杏さん。

 岩井俊二監督による『花とアリス』(04)の続編にして、さらに時間を遡り、主人公の少女、花(鈴木)とアリス(蒼井)の出会いを描くアニメーション、『花とアリス殺人事件』が公開。今度は声優として花とアリスを演じた蒼井さんと鈴木さんは、『花とアリス』での共演以来、今でも半年に1度のペースで会っている大親友です。そんなふたりの素顔が垣間見えるトークをお届け。

⇒【YouTube】映画『花とアリス殺人事件』予告編 http://youtu.be/6nlnRKofvC0

◆花とアリスは、すごく身近な存在

鈴木:やっぱり年齢を重ねた分、肌や体だけじゃなく、声も心と共に野太くなっているだろうなって。だから、あの頃と同じ10代の声を出せるのかという不安はあったよね。でも岩井さんからOKが出たら、それはもう大丈夫ってことなんだろうと。

蒼井:過去に自分が演じた実写版があるという大前提があって、その後、声優としてのお仕事の経験もしてきたことで、どちらに寄せればいいんだろうというのは悩んだかな。でもどっちにしても岩井さんの現場はとにかく恥ずかしい。映画デビュー作(『リリイ・シュシュのすべて』)が岩井さんだし、変に技術的なことを見せたりすると、「お前、染まりよって」みたいに思われるかもとか考えちゃう(笑)。

鈴木:あはは。私たちにとって花とアリスという少女たちは、すごく身近な存在だよね。やっぱり花と自分ってそんなに違わないというか。彼女の持ってる暗さや、あの空回りする感じとかも似てる。

蒼井:杏は『花とアリス』の時点で、子役としてもう有名で、元気はつらつみたいなイメージがあったんだけど、実際はまじめすぎてがんじがらめになるところもある。それが杏のいいところでもあるんだけど。確かに杏と花は似てるけど、でも杏の場合はそれでもちゃんとお芝居で花ちゃんを作り上げてたな。私は当時の私がそのまんまアリスだった。まったく芝居なんかしてなかった。

◆アニメーションならあの頃に戻れる

鈴木:花がアリスと出会ってビックリしたように、私も優ちゃんに出会ってビックリした。なんだろう。行くよ!みたいな感じて手を引っ張って、ずんずん先に進んでくれる感覚というか。私がなるべく人に迷惑をかけないように現場にいるのを、奔放な感じでなぎ倒していくというか。その強さに、あぁ、すごい人がいるもんだと(笑)。

蒼井:杏は老成してて、私は野生児だったからね。今もあんまり変わってないけど(笑)、さすがに周囲が見えるようになったし、女優としてのオファーを考えても、あの頃のような動物的なキャラクターってもう来ない。最近、あの年代っておもしろかったんだなって思うんだよね。実写は無理だけど、アニメーションだったら戻れる。

鈴木:今回のアニメバージョンは中学時代の花とアリスだけど、あの時期にしかないエネルギーの塊がずっと振動してて、ちょっとした出来事でスーパーボールみたいに跳ね回る。そのときは一生懸命で気づかないけれど、眩しい時期だったんだなって思う。

◆相手の痛みを自分の痛みとして感じられる友達

蒼井:それが私たちも30歳を前にして涙もろくなったね。お互いに相手の痛みで泣き合う。それぞれに心配かけたくないから、全部事後報告なんだけど。相手の痛みを自分の痛みとして感じられる友達って少ないし、本当に貴重な存在だと思う。杏とは本当に号泣するもんね。

鈴木:優ちゃんとか、私が大変だった話とか聞いて、私以上に怒るもんね。

蒼井:杏を傷つけるヤツは許せない。

鈴木:杏のことなんだと思ってるの!とか言って、すっごい剣幕。

蒼井:実際の相手とは面識もないんだけど(笑)。

鈴木:でもそういう人が世界にひとりでもいてくれるのは心強いことだよ。

蒼井:『花とアリス』の頃って、わたしが町を歩いていて「蒼井優だ」って言われるようになる前の最後の時だったのね。だから私にとってものすごく大事な青春の最後の1ページ。その時期にこうやってなんでも話せる友達と出会えた。大切にし続けたい作品だし、『花とアリス』を観て、とても大事にこの作品を思ってくださる人がいることも温かい気持ちになる。実際に、あの頃に戻って学校に通ったりするのは面倒くさいけど(笑)、今回はアニメーションで、青春のいいところだけをもう一度味あわせてもらって嬉しかったな。

鈴木:ご褒美みたいだよね。優ちゃんとの出会いもそうだし、今回の花とアリスとの再会もそう。それに大人になると段々と失われてしまう、あの10代の素直さにも改めて気づかせてもらったね。

●映画『花とアリス殺人事件』より

<TEXT&PHOTO/望月ふみ>

『花とアリス殺人事件』は全国公開中

配給:ティ・ジョイ / 東映
(C)花とアリス殺人事件製作委員会

オフィシャルサイトhttp://hana-alice.jp/