『神社ってどんなところ? (ちくまプリマー新書 231)』平藤 喜久子 筑摩書房

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 初詣にはじまり、受験や縁結び、健康祈願と、日本人は様々な機会に神社を訪れます。私たちの身近にあり馴染みの深い神社。その数は全国で8万社にも上ります。

 しかし、いつからあるのか、どのような神様が祀られているのか、お寺との違い、参拝の仕方、建築様式や年中行事にはどのようなものがあるのか......といった、神社にまつわる事柄をきちんとご存知の方は、意外と少ないのではないでしょうか。

 神話学が専門の國學院大學の平藤喜久子准教授による『神社ってどんなところ? 』は、こうした神社に関して知っておきたい素朴な疑問をわかりやすく説明してくれます。

 たとえば、鳥居、参道、灯籠、社務所......と、神社のなかには様々なものがありますが、境内では「動物」の姿をよく目にします。まずよく知られているのは、参道や社殿の前に置かれた「狛犬」。この狛犬には神前を守る役割があるそうです。あるいは、稲荷社で見かける「狐」。こちらは神使といい、神の使いとされているとのこと。このように、神使を含め、広く神と関係の深い動物を眷属とよび、お祀りしている神社は多くあるのだと平藤さんはいいます。

 では実際に、その他どのような動物たちが祀られているのでしょうか。いくつか見てみると、奈良・春日大社には鹿、同じく奈良・大神神社は蛇、大阪・住吉大社や京都・八坂神社や長野・諏訪大社等には烏、天満宮は牛、静岡の三嶋神社は鰻、そして八幡宮には鳩と、神社によってそれぞれ異なった動物たちが境内にはいるようです。

「鎌倉土産といえば、『鳩サブレ』が有名ですが、これは八幡宮の神使が鳩であることと関わっています。鎌倉の鶴岡八幡宮の鳥居にかけられた扁額をよく見てください。八の字が鳩で形作られていることに気がつきます」(同書より)

 また、神社でよく目にする多くの「絵馬」。この絵馬はもともと、神への祈願として生きた馬を奉納していたことに由来しているのだそうです。

「馬は神さまの乗り物と考えられてもいたので、祈願のために神さまをお招きするという意味もあったのでしょう。ですが、生きた馬の奉納は、奉納する側もされる側も負担が大きく大変です。土製や木製の馬を奉納する者も出てくるようになりました。それが次第に簡略化され、馬の絵を板に描いたものが奉納されるようになったのが絵馬のはじまりです」(同書より)

 本書を読めば、神社に関する基本的な知識は備わるはず。神社を訪れる際に、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。