モンスターPC新生VAIO Zは、どこがモンスターなのか?「結果として日本の技術の結集を実現した」

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ソニーから切り離され、パソコンメーカーとして独立したVAIO株式会社による新製品が発表された。新会社になってから、初めて企画から製品化までを行った製品となる。VAIO Zというネーミングだけを見るとソニー時代から、変わっていないように見えるが、今回のVAIO Zは、意欲的な製品に生まれ変わっている。

この新型VAIO Zは「モンスターPC」という別の名前も持っている。
それじゃあ、新型VAIO Zのどこがモンスターなのかについて説明しよう。
まず、製品の開発コンセプトとしての「道具」(ツール)を目指したことだ。

・圧倒的なレスポンスを持つ“道具”
・一日中、どこでも完璧な仕事ができる“道具”
・ユーザーの新たな可能性に応えらえる“道具”
・使う人のための“道具”
・使うことができる“道具”

といったように“道具”としての機能を徹底的に追及しているのだ。

通常、パソコンの製品化における部材調達は、製品コンセプトと部品にかかるコストを天秤にかける。こうしてある程度の仕様がまとまった段階で、そこから削れる部分を削って販売価格を下げる。
この仮定で、コストを下げるために安い部品を調達したり、機能を下げたりされるわけだ、しかし、新型VAIO Zでは、違うのだ。

今回のVAIO Zは、「道具とはこうあるべき」を徹底している。
必要なスペックを満たすための部材調達を行っているからだ。

たとえば、
CPUには、インテルの第5世代「Core i5-5257U」と「Core i7-5557U」を採用した。
「道具として1日中使い倒せる」ことを目指した結果、バッテリーの持続時間は15時間というロングライフバッテリーを搭載している。


15時間駆動を実現するバッテリーユニット


■日本の技術が結集
もうひとつ、注目したいのが、日本が誇る様々な技術が凝縮されていることだ。

使われるパーツとメーカー例
キーボードフレームとパームを一体化する「ブラスト加工アルミ」(東陽理化学研究所)
高演色LED&集光バックライト液晶パネル(パナソニック液晶ディスプレイ)
液晶ディスプレイ部分の強化ガラス(旭硝子)
流体動圧軸受ファン(日本電産)
極薄高効率ヒートパイプ(フジクラ)
静音キーボード(沖電気工業)
UDカーボン(東レ)

と言った、各部分に日本企業の技術がぎっしりと詰まっているのだ。
  

カギで引っかいても傷がつかない強化ガラス(旭硝子と共同開発)



東レと共同開発したUDカーボン製のボトム


ここで注目したいのは、いわゆる「Made in Japan」=日本製にこだわったというわけではないことだ。

必要な性能を満たす部材を集めて行った結果として、日本のメーカーの技術が集まったと言う点だ。

こうしたVAIO Zの開発プロセスは、日本にはモンスターPCを作り出すことができる技術、世界に誇れる技術が存在していることを証明している。
そして、それらの技術により新型VAIO Zが誕生したというわけだ。

本体価格は、19万円弱と、高価格ではあるが、それだけのお金を出す価値のある製品と言っていいだろう。


小川夏樹(ITライフハック副編集長)