写真提供:マイナビニュース

写真拡大

年上の旦那様が、外でバリバリ仕事して稼いでくる。女性はというと、家事や育児、そしてご近所の奥様との付き合い。そういったイメージが、今から30年くらい前の夫婦像です。今では、女性も仕事をするようになり夫婦共働き。家事や育児に男性も参加するのが、当然のようになってきました。場合によっては、男性が専業主夫として家庭におさまり、妻がバリバリ稼いでくるというのも珍しくありません。

また、ドメスティックバイオレンス(DV)といえば一昔前までは男性から女性のものという印象でしたが、最近の調査によれば、男性も18.3%は配偶者からのDVを受けていることがわかっています(内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査・平成24年」)。現代の夫婦像は、従来のそれとは大きく変わってきました。男性も女性も居心地がいい夫婦の形とは、どのようなものなのでしょうか。

○現代夫婦の抱える闇とは

男性が外で働き、女性が家事や育児に専念すべきか。それとも、夫婦共働きで家事や育児を分担すべきか。そのどちらが正解かというのは、簡単にはいえません。大正時代、夫である男性の苦労を知るためにも、女性は一度社会に出るべきだという「賢母良妻思想」のもと、女性はタイピストや電話交換手などの仕事につきました。現代でも、女性の中には仕事は結婚までの腰掛けと考える人は少なくありません。昔であれば、男性も女性もそれが当然だと疑うことがありませんでした。

ですが、最近では女性も男性と同様に社会で活躍することが期待されます。それだけではありません。以前に「働く女性が『イクメン』にいらだつ理由」でも紹介しましたが、女性は仕事での活躍に加え、家事や育児も今まで通り期待されています。

女性からすると負担が増えただけで面白くありませんよね。また、男性からすれば、これまで男社会であった会社に女性たちが登場してくる。これは、いわば競争相手が増えたわけです。そしてその競争に負けた男性たちは、社会の先行き不透明観も相まって、経済的な不安から結婚に踏み切れなかったり、結婚したとしても何でも器用にこなす妻におんぶに抱っこという状態になったり。これらが、現代夫婦の抱える問題であり、それがDVのような形で社会病理としてあらわれているのかもしれません。先ほど、男性が配偶者から受けているDV被害の割合に触れましたが、女性は32.9%で、約3人に1人が被害を受けています。

理想的な夫婦のあり方というのは、どちらかが家事育児に専念することでも、共働きをすることでもありません。夫婦という人間関係、そして共同体を維持していく中で、お互いの投資を等価にすることにあります。例えば、あなたが料理をつくるとします。食事の後、食器洗いもあなたがする。これでは、「食器くらい洗うの手伝ってよ! 」と不満を持ちませんか。

人は、自分が行ったことに比べて相手が何もしてくれないと不公平に感じます。そして、それが不満へとつながるのです。逆に、自分は何もしていないのに、相手が色々してくれる場合も、それが重荷となって不公平に感じ、不満へとつながります。

つまり、夫婦という共同体に対する投資が等価でない男女は、うまくいかないのです。では、どうすればいいのか。

例えば、結婚する時点で夫婦の役割分担を決めておくというのも1つです。そして日々の生活の中では、相手がしてくれて当然とは思わず、「今日は僕 / 私がやるよ」とお互いに仕事を分担しあうのもよういでしょう。

つまり、一言でいえば、相手を思いやるという気持ちが大事なわけです。なんだ、そんなことかと思われるかもしれません。ですが、結婚生活が長くなるにつれて、洗濯や料理は妻がしてくれるものと、相手がしてくれることが当然のようになってくることがあります。その偏った認識が、相手にとっての不満につながるのです。

○著者プロフィール

平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。

(平松隆円)