望遠レンズのようにズーム可能な「望遠コンタクトレンズ」の開発が進められる中、等倍と高倍率との切り替え操作をまばたきで行うことができる最新型の試作品が公開されました。

See here now: Telescopic contact lenses and wink-control glasses -- ScienceDaily

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/02/150213145049.htm



これは、カリフォルニア州サンノゼで行われたアメリカ科学振興協会(AAAS)の年次会議の中で、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のエリック・トランブレー氏が発表したもの。かねてから、トランブレー氏とカリフォルニア大学サンディエゴ校のジョー・フォード氏らは「望遠コンタクトレンズ」の開発を進めていて、2013年に「通常倍率と望遠とを切り替え可能な望遠コンタクトレンズ」を発表していました。

Optics InfoBase: Optics Express - Switchable telescopic contact lens

http://www.opticsinfobase.org/oe/fulltext.cfm?uri=oe-21-13-15980&id=258366



2013年にフォード氏らが発表したコンタクトレンズは、中央部を通る光はそのまま等倍で見え、周辺部を通る光は2.8倍に拡大されるというもの。そのままレンズを着用すると等倍で見える像と2.8倍で見える像が重なってしまうことから、偏光メガネを応用して、等倍部分か2.8倍部分かのどちらかにだけ光を通すという仕組みです。

プロジェクトはアメリカ国防高等研究計画局(DARPA)からの資金援助を受け、長期間着用し続けても快適で、日常生活の中でも使えるレンズの開発を進めてきました。とくにここ2〜3年は、コンタクトレンズ着用時に目が必要とする酸素の供給をいかにして解決するかという難題の解決に時間が使われました。その結果、レンズ内に幅わずか0.1mmの風洞を作り、酸素が角膜に届くようにしたそうです。

発表された試作品が2013年に発表されたモデルと大きく異なる点は、まばたきを認識する機能が搭載されたこと。前述のように、等倍と2.8倍の像を重なることなく見るためには、レンズの片方だけの部位に光が通るようにする必要がありますが、この改良により、たとえば右目だけでまばたきをすると2.8倍モードに、左目だけでまばたきをすると等倍モードに、と電子的に切り替えることができるようになりました。

このコンタクトレンズが完成すると恩恵を受けられるのは弱視や加齢黄斑変性症(AMD)の人たちです。現在はメガネの上に「Bioptic Telescopes」と呼ばれる器具をつけるなど運転やその他の作業に対応しているのですが、「何か変わったメガネをかけている」というのが見てわかるものなので、つけるのを拒絶する人もいるのだとのこと。

Bioptic Telescopes Meet the Needs of Drivers with Moderate Visual Acuity Loss



コンタクトレンズであればつけていることは見てもわかりづらいので、完成すれば多くの人の悩みを解決するアイテムとなりそうです。