いまや、国民の4人に1人がスギ花粉症(※1)といわれています。
花粉対策として「花粉情報に注意する」「飛散の多いときは外出を控える、窓を閉めておく」「外出時はメガネ、マスクを着用」「鼻の中を清潔に保つ」「帰宅時は衣服や髪をよく払って入室する」「毛繊物の衣類は避ける」「掃除を励行する」などのセルフケアが花粉症対策としてよく知られていますが、最近は「鼻うがい」を実践する人も多いそう。実際にどんな方法なのか、調べてみました。

※1 2013年版アレルギー性鼻炎ガイドより

鼻づまり、鼻水に悩む季節がやってきました!


国民病ともいわれる目と鼻の不快感

鼻がムズムズしたり、かゆみが止まらない時は、まず家に帰ったときに、顔全体を洗って花粉をとることが大切です。その他の手段として、鼻粘膜に付着した花粉を洗い流す「鼻うがい」もひとつの方法として知られています。
最近では、鼻うがいグッズとして、ボトルの大きさが洗浄1回分のコンパクト設計の「ハナクリーンS」や、洗浄液を作るネティウォッシュ・ソルトなどがセットになった「ネティウォッシュ」も市販されています。
花粉の症状に悩む方は、そのあまりのかゆみに「目を丸ごと洗いたい!」と悲鳴ともとれる言葉を発することがありますよね。同様に鼻もすっきりさせたい部分ですが、鼻うがいをすると花粉症の症状は一時的に軽くなるものの、場合よっては粘膜を刺激することで症状が悪くなることがあります。
こうした理由から、鼻うがいを実践してみようかな……と思っている方は、自身の症状に鼻うがいが適しているかを知ることも非常に大切なので、まずはきちんと医師に相談してみることからスタートさせてみてくださいね。
※鼻うがいの方法を誤ると中耳炎を引き起こす場合があるので、鼻うがいが自分に適しているか、または、鼻うがいの正しい方法を知ることが大切です。そのうえで、鼻うがいが合わないと感じた場合は、無理に続けないようにしてください。


初心者向け、鼻うがいの方法

鼻うがいに使用する生理食塩水(洗浄液)の作り方
水を煮沸してカルキをとばし、人肌くらいのぬるま湯を作り、塩をひとつまみ入れてかきまぜます。ベストな濃度は、人間の体液の浸透圧と同じ0.9%。洗面器で行う場合は、ペットボトル2Lに対して塩大さじ1(18g)。コップの場合は、200ccにティースプーン1杯(18g)が適量です。
注意点1)衛生上の観点から作り置きはNGです。
注意点2)真水や冷水もNG。顔内部の粘膜に刺激を与える作用によって、逆効果になることもあります。
〜コップ編〜(気持ちいいと感じるレベルが大切。中耳炎の原因にもなるので無理は禁物です)
? コップを持ち、片方の鼻を指で押さえる。
? もう片方の鼻からゆっくりと食塩水を注入する。
? 口を開けて、「えー」と声を出しながら行うとやりやすい。
〜洗面器編〜(気持ちいいと感じるレベルが大切。中耳炎の原因にもなるので無理は禁物です)
? 洗面器に顔を近づけ、少し息を止めて、片方の鼻から生理食塩水を吸い込みます。
生理食塩水を鼻から出したら、もう片方の鼻も同じ要領で吸い込みます。


専門の医師の指示に従うことが、何より大切!

鼻うがいは花粉対策のみならず、鼻づまりの解消、鼻炎や蓄膿症の改善、風邪の予防として古くから知られていますが、鼻うがいはのどのうがいと違い、「鼻は、真水でうがいをしてはいけない」ことをしっかり理解しておくことが大切です。真水だと「つーん」という感触がして、鼻の奥や耳の奥が激しく痛むことがあるためです。
繰り返しになりますが、
●鼻うがい時は、人間の体液の浸透圧と同じ食塩水を用いる!
●鼻のかゆみやムズムズがひどい方は、専門の医師に鼻うがいが適しているか指示を仰ぐ !
この2点が重要です。
ひどい症状が少しでも和らぐよう、専門家の意見をもとにした正しい花粉対策でこの時季を乗り切ってくださいね。

※参照 厚労省HP「花粉症特集/的確な花粉症の治療のために」(著・大久保公裕氏)