大仁会長は「私の責任が一番重い」と話し、自主的に給与の50パーセントを4か月間返納することとしたが…。(C) Getty Images

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 日本サッカー界を揺るがしたハビエル・アギーレ前監督の解任問題で、協会首脳の責任は不問になるまさかの事態になった。そもそも協会のトップが責任を負うつもりなどなかったのが、本心のようだ。
 
 これまで大仁邦弥会長はアギーレ前監督の就任が、八百長疑惑が発覚する前の昨年夏だったことを強調。協会側が問題を把握するのは困難だったとの見解を示していた。
 
 2月12日に東京のJFAハウスで開かれた理事会では、
1)契約時の身辺調査の正当性
2)八百長疑惑発覚後の対応
3)契約解除までの判断
 この3つが議論されたという。
 
 大仁会長は「(身辺)調査については、今までそういうことがなく、協会に意識がなかった。反省しなくてはいけない」と心境を吐露。招聘時の事前調査が不足していたことは認める一方で、やはり責任の所在は曖昧にしたままで一応の終結となった。
 
 その理事会の冒頭。大仁会長と原博実専務理事は「責任を全うする」と、身を引くつもりがないことをはっきりと表明した。
 
 後任監督との交渉のため渡欧中の霜田正浩技術委員長からは、辞意の申し出があったという。しかし、次期監督の選任を最優先にするため、大仁会長、原専務理事、霜田技術委員長の3人とも現職を継続することが正式決定したのだ。トップが「身を引く」という形で責任をとる考えは、当初からなかったのが真相だ。
 
 世間の反感から免れるために、大仁会長は自主的に給与の50パーセントを4か月間返納。原専務理事と霜田技術委員長も30パーセントを4か月間返納する。
 
 大仁会長は「私の責任が一番重い」と猛省する態度を見せた。しかし八百長疑惑を抱えたまま、アギーレ前監督に1月のアジアカップの指揮を執らせてベスト8で敗退。一連の協会の「判断ミス」は、取り返しのつかない大きな痛手になったのは間違いない。
 
 今回の失態を招いた日本協会に対する周囲の反応は、当然のごとく冷たいものだ。Jリーグの強化担当者には「協会がアギーレ解任の判断をするのがあまりにも遅かった。こんなに日本中を混乱させたうえに、協会の誰も責任をとらないのは、どういうことなのだろうか。これからは、協会に協力する気になれなくなる」と疑問視する声が出ている。
 
 さらに、日本代表に選出経験のある選手も「これからは6月からスタートするロシア・ワールドカップ予選に向けて、しっかりとした一枚岩にならなければいけない時期。最も混乱しているのは代表選手でしょうし、選手もきちんとした説明を協会から聞きたい」と漏らしている。
 
 なにかすっきりしないまま、アギーレ騒動の責任の所在は闇に葬られてしまったのだろうか――。