モジモジするピュアな男子高校生にキュンキュン! 「青春時代を思い出すBL」
 どうもこんにちは。ゲイライターの渋谷アシルです。

 生粋のBLフリークであるぼくが、イチオシの作品を紹介する本企画。今回は、「青春時代を思い出すBL」をお届けします。

◆どうしてこんなに相手のことが気になるんだろう……その想いの名は、恋!?

 BLと聞くと、「ちょっとカワイイ男の子同士がイチャイチャして、最終的に激しいセックスをするんでしょ」なんて思っている方も多いはず。ところが、それはBL界の上辺しか見えていないに過ぎません。なかにはとってもピュアな作品もあるんです。今回紹介する『スロースターター』(市川けい)も、そういった作品。ピュアなストーリーラインが、青春時代を思い出させてくれます。

 主人公は、別々の高校に通うキヨとイノ。いつも同じ電車に乗りあわせている二人は、それぞれが互いを気にしつつも、なかなか声がかけられない。ところが、ある日、降りるべき駅を寝過ごしてしまったキヨにイノが声をかけ、自然と交流するようになります。

 気になる相手になんて声をかけたらいいのだろう、変に思われないかな……? あー、まさに10代の初恋を思わせるようなシチュエーション。モジモジしている彼らの姿に、思わず若き日の自分自身を重ねてしまいます。

 そして意気投合し、仲良くなった二人。けれど、キヨに彼女ができるかもしれないと知ったイノは、自分でもよくわからないモヤモヤした感情を抱きます。キヨは大切な友達なのに、キヨに彼女ができるのは嫌だ。どうしてこんな気持ちになるんだろう。そう、まだ「恋」を知らないがゆえに、自身が抱いている感情を把握できないんですね。

 でも、やがて、それが「恋」なのだと気づいたとき、彼らの関係性に変化が訪れます……。

 ただ一緒にいたい。話をしていたい。顔が見られないと不安になる。誰かにとられたくない。恋愛の階段を一段ずつあがっていく彼らは、まさに“スロースターター”。それがもどかしくもあり、懐かしくもあります。大人の恋愛は、少なからず打算的になってしまいがち。そんな恋愛に疲れきったとき、彼らの物語を読めば、ピュアだった頃の自分を思い出すことができるでしょう。

 ちなみに、高校を卒業した彼らの姿を描いた続編『スロウデイズ』(市川けい)も、キュンキュンする作品。ほんの少し大人になった彼らの、ゆったりとした恋模様が見ものです。また、田舎に住む高校生と都会で暮らす高校生、二人が文通を通して距離を縮めていく『成長痛』(梶ヶ谷ミチル)も爽やかさ満点の一作です。いずれの作品も、そこまで強烈なセックス描写がないので、初心者が読むにはうってつけかもしれません。

 これまでBL食わず嫌いを貫いてきたみなさま、試しに読んでみてくださいね。

<TEXT/渋谷アシル>

【渋谷アシル プロフィール】
昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。