GTアカデミー出身レーサーがバサースト12時間レースに総合優勝、日産は2014年の雪辱を果たす

写真拡大

オーストラリアの伝統的なツーリングカー耐久レース、バサースト12時間で、日産アスリートグローバルチームから出場した千代勝正/ウォルフガング・ライプ/フロリアン・ストラウス組が優勝を果たしました。

ライプとストラウスは GT アカデミー出身のプロレーサーで、ライプがまだデビュー3年目、ストラウスは2年目での快挙です。GT アカデミーとはプレイステーション用ソフト GranTourismo をプラットフォームとして、世界中から腕の立つゲーマーを集め、プロレーサーを養成するコンテスト。すでに中堅ドライバーとしての地位を固めつつある1期生のルーカス・オルドネスを筆頭に、レッドブルF1チームにも見込まれているヤン・マルデンボローなど16人の卒業生を輩出しています。

バサーストに向かう日産アスリートグローバルチームのドライバーには、2012年 GT アカデミーヨーロッパウィナーのウォルフガング・ライプ、当初予定していたドライバーの欠場により急遽呼び寄せられた2013年 GT アカデミードイツウィナーのフロリアン・ストラウス、そして2014年のバサーストにも出場した千代勝正選手を加えた3名が今年のバサースト12時間に挑戦しました。
 

舞台となるマウントパノラマサーキットは、オーストラリア・バサーストにある丘陵地帯に作られた特設コース。激しいアップダウンと狭い道幅、コースアウトすればすぐコンクリートの壁が待っているというまったくドライバーにやさしくないコースです。

地元オーストラリアをはじめ、アジアやヨーロッパからツーリングカーの強豪チームが多数参加したこのレースで、日産チームは予選を3位で通過、2列目のスタート位置を確保しました。

決勝当日、まだ日も登らない早朝5時50分にスタートしたレースでは、スタートを務めるライプが前を押しのけて2位に、ステアリングを引き継いだストラウスはレース中盤の114周めに首位を奪う活躍を見せます。

しかし、難コースゆえに毎年荒れるのがバサースト。後半はクラッシュやコースアウトが相次ぎ、たびたびセーフティカーによる先導周回が発生します。そして各チームがペースの遅いセーフティカーランのうちにピット作業を行うため、順位はめまぐるしく変動する展開に。

セーフティーカーランの状態で迎えた残り40分。ドライバーを千代選手に交替した日産チームは3位にまで後退するも、1位から5位までが同一周回にひしめく状況。1位にはベントレー、2位にはニュルブルクリンク、スパの24時間レースを制してバサーストに乗り込んだアウディがつけています。

そしてレース時間残り5分を切ろうかという頃、ようやくレースが再開。この再スタートで仕掛けることを決めていた千代選手は、最終コーナーからの加速で上手くスピードを乗せ、ホームストレートで一気にアウディを抜き去ります。さらにペースの上がらないベントレーにピタリと付け、第2コーナーまでの短いストレートでトップに立つと、一気に引き離しにかかります。
 

 
 
2位に落ちたベントレーはそのまま防戦一方。2〜4位争いが熾烈化したため、ファイナルラップを余裕で駆け抜けた日産GT-Rが優勝を決めました。

最終的には千代選手による気迫の走りが呼び込んだ勝利とはいえ、レースでは最後に勝てる位置にいることが大事です。そしてスタートから一貫してその位置にマシンをキープし続けたライプ/ストラウスの走りもまた GT アカデミー出身者の実力を証明してみせたといえるでしょう。

ちなみに、バサーストにおける日産チームの総合優勝は1992年以来、23年ぶりのこと。このときは日本からやってきた R32 スカイライン GT-R にレースを席巻され、さらに大雨で繰り上げ終了となったことに気分を害した地元ファンが表彰式で大ブーイング。それを受けた勝利ドライバーが生放送中の表彰インタビューで観客に対し「お前らはクソッタレだ!」と言い放つなど、なかなか楽しいレースでした。

下は1992年のレース。