楽待不動産投資新聞
アベノミクス以降、過熱する不動産投資。都市部では不動産価格の高騰から参入しづらい感がある。そんななか、サラリーマン投資家に新たな潮流が生まれているという。注目が集まるのは築古一戸建て投資。その最新事情を追う!

◆築古物件で利回り15%超! 不動産投資に新潮流!?

 円安によるインフレが加速するなか、賃金は上がらない昨今。将来不安からサラリーマンの投資熱は高まっている。しかし、その傾向に変化が生まれているという。

 不動産投資家向けに情報を配信している(株)ファーストロジック『楽待不動産投資新聞』の読者に行った意識調査によれば、サラリーマン投資家の中では一棟買いのマンションやアパート、区分所有のマンションへの投資熱は軒並み下落傾向。一方で戸建て物件、築古物件の自己再生などが顕著な上昇傾向を見せたのである。編集長の大城英子氏は言う。

「全体的に投資熱が上がるなか、一棟ものも区分所有も利回りのいい物件がもはや少なくなっています。例えば、戸建て賃貸は都市部でも地方部でも、需要はあるのに物件が少ないという現状があります。戸建投資を行う投資家さんに話を聞くと、マンションは地方だと家賃が下がりやすいが、戸建は地方でも家賃の下落幅が少ないとのことです。また、今年中に空き家課税(固定資産税増税)が施行される可能性もあり、現在空き家として放置されたままの物件820万戸(’14年総務省発表)が放出されれば、マーケット的にもかなりのインパクトがあると思います」

 戸建て投資は、たとえ上物が老朽化しても土地が残るので、駐車場経営なども可能。そのため、築古物件でも高利回りで資産運用が可能というわけだ。

 では、実際に築古一戸建て投資で成功したケースを見てみよう。

◆たった2年で7戸の築古一戸建てを購入

 京都府に住むサラリーマン大家ブロガーのコージー氏は、’12年9月に600万円のテラスハウスを自己資金で一括購入。それから、たった2年余りで7戸もの戸建て賃貸を経営するようになった。

「物件の築年数は関係ありません。僕が戸建てを選ぶ基準は、まず間取りが3DKで土地価格10万〜15万円/平方メートル、床面積50平方メートル未満、土地面積40平方メートル未満の物件です。これならリフォーム費用も安く済み(70万〜200万円程度)、ファミリーで住む需要にも合っています。さらに、築古で未登記増築・容積率オーバーなどの微妙な違法物件を狙う。こうした物件は住宅ローンが通りづらいため、一層購入価格が下がるので、それを一括購入するわけです。エリア的には公共交通機関で徒歩15分圏内の宅地需要旺盛な場所。不人気地域の中の人気地域を京都府内で探しました。東京で言えば台東区や江戸川区といった場所です」

 地場の情報に強い不動産屋を味方につけ、売り主と値引き交渉もしてもらったために、2戸目以降の購入額はすべて300万円以下。そのすべてが築32〜47年の築古で、客付けの努力は「清潔感を出して水回りの更新(三点給湯やレバー式の蛇口への変更)をした」程度。それでも数か月で入居者が決まったのは、やはり戸建て賃貸の需要を供給が下回っているためだ。

 これらの築古一戸建ての利回りは平均15%と高い。コージー氏は現在、これら戸建てを共同担保に築古アパートをフルローンで購入。サラリーマン大家にはハードルの高いアパート経営にも成功した。

「築古一戸建ては“解体したら高くつく”ため、安く購入できますが、土地の評価額は変わらない。そのため、担保価値が自己資金以上になります。さらに一戸建て経営の実績を認められたことも、フルローンで購入できた理由ですね」

 築古戸建て投資の実績を活かして、アパート経営へ――。これは新たな成功理論なのかもしれない。

⇒【後編】「子供時代に過ごした『実家』を賃貸に出してサラリーマン大家に」に続く http://hbol.jp/23959

― サラリーマン大家最前線【1】 ―