ガラケー出荷数の復活はスマホ人気終了の証か?今あるスマホへの失望、落胆とは

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フィーチャーフォン(ガラケー)出荷台数が2013年以降、初めて前年を上回った。一方で、スマホの出荷台数は前年比5.3%減の2,770万台と減少している。2015年2月3日の2014年国内携帯電話端末出荷概況(MNP総研)にて明らかになった。

出荷台数では、スマホのほうが多いことかわりはないが、増加率だけをみると、スマホは減少、ガラケーは復活傾向にあるようだ。こうした市場の動きに反応して、一部のキャリアショップなどでも、ガラケーの売り場を再び設ける店舗もあらわれている。

ガラケーが復活している影で、消費者はスマホのどこに落胆しているのだろうか。

●スマホの本体価格と料金は電話機としての価格を超えている?
スマホに対する意見で、一番に多く聞くのが、本体と料金の価格に関することだ。
高性能化するスマホの本体価格はすでに電話機という価格を超えている。
たとえば、iPhone 6の128GBモデルの場合、99,800円(税別)と10万円近い価格で、一般の人が簡単にだせる金額ではなくなっている。

また、月々の通信料金に対する不満や悩みも多い。
「スマホにしたら、月々の利用料金が高くなる」と言う理由で、スマホに変更しない人も多い。

●やっぱり、インターネットやアプリは自分には不必要?
スマホがガラケーより優れている点が、インターネットとアプリの利用だろう。しかし、この2つを電話機に求めない、必要としない人も意外に多い。

特に最近、スマホにしてみたが、思ったよりスマホでインターネットやアプリを使わないという人や、スマホを利用している人をみて自分はインターネットやアプリを使わないと思う人が増えているようだ。

周りの人や流行に左右されずに、落ち着いて自分に必要な機能で判断する人が増えてきたともいえる。

●改善したはずのスマホのバッテリー持ちだが、まだ毎日充電が必要?
スマホは内蔵バッテリーの大容量化で連続待ち受け・連続通話時間においては、ガラケーと比べても遜色はなくなってきている。

しかし、スマホで、SNSや動画・音楽試聴などの機能を使うと、まだまだバッテリーは丸1日もたないことも多い。また普通にSNSだけなどライトな使い方でも、翌日のためには毎日充電も必要となる。まだ、通話やメール主体のガラケーのように数日放置しても使えるというほど手軽にはなっていない。

●スマホは、ガラケーより紛失などでの危険度が大きい?
多機能なスマホは個人情報などの流出や漏洩、管理が大きな問題とされている。
正直、紛失しただけでも大きな問題になるなど、「怖くて使いたくない」と思う人も多いようだ。

ガラケーでも紛失した際の危険はあるが、スマホのように、課金情報やクレジットカードの情報が詰まっているわけではない。また決済情報以外にも、スマホには家族や友人、知人などの個人情報もガラケーより多く保存されている。
より多くの情報が盗まれる可能性は、スマホのほうが多いと言わざるをえないだろう。

●スマホは、もう魅の力ある新しい製品ではなくなった?
iPhoneやGALAXY、Xperiaなどの人気機種の登場時に比べて、今は、スマホ本体や新機能、サービスが目立っていない。
スマホも一時期の次々に機能向上する次期をすぎて、安定した製品になったと言えるだろう。しかし、その反面、新しさや魅力を感じられなくなっている人も増えているようだ。

スマホは「携帯電話」から「小型のパソコン」になりつつある。
スマホの乗り換えブームが落ち着き、携帯電話としてスマホをみられるようになったことが、スマホにとっての大きな逆風なのかもしれない。


甲斐寿憲