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この本は参考にならない!

本題の前にまずは読書感想文からです。僕は今日、一冊の本を読破しました。地上最強の乙女、霊長類最強女子、森の賢人などさまざまな二つ名を背負う、吉田沙保里さんの初の著書『明日へのタックル!』がそれです。この本を一言で言うと、なかなかに正直な、外連味のない一冊でした。

出版元である集英社が「頑張っても売れ数は大して変わらんやろ」と思ったのか、吉田さんの意向なのかは定かではありません。しかし、この本にはまず商売っ気というものがありません。吉田さんの著書ともなれば、図書館を含め多くの人々の共有財産として愛されるもの。極端な話、吉田さんが講演行脚をしながら行く先々の行政機関や学校法人などで「私の本です」と売りつけたら、基本断れない類の一冊です。ならば、ハードカバー1800円コースで行きたいところ。高い方が売りつけるときにハッタリが利きますし、利ザヤも大きくなりますからね。

しかし、実際買ってみるとソフトカバー1200円のお手頃価格。豪華な装飾もなければ、撮り下ろし吉田さんセクシーグラビアなど「売れる」企画もなく、淡々と吉田さんが哲学を語っているばかり。もちろん「吉田さんのデートに密着」「吉田さんのお部屋拝見」「吉田さんの着回しコーデ術」などのライフスタイル系の記事もありません。ガチな成功哲学本とでも言えばよいでしょうか。アスリート本を超えて、エライ社長さんか宗教家か何かの著書のよう。

思うに、吉田さんはマスメディアのチカラを活用した「布教」に乗り出したのではないでしょうか。吉田さんが練習やレスリング教室でじかに肌を合わせることのできる人数には限界がありますが、マスメディアを活用すれば何人でもお相手することができます。「吉田家の哲学」のようなものを形としてまとめ、後世に遺す気になったからこそのガチ著書のように思います。

そうした心境に至ったのは、やはり昨年のお父様の逝去が影響しているのでしょう。吉田家の哲学を広め、多くの名選手を輩出してきたお父様が亡くなられたことが、まだ道半ばでありながら一度自身の哲学をまとめる気になった理由のように感じます。自分がレスリングからもらった素晴らしいものを、子どもたちに伝えたい。そんな真っ直ぐな気持ちを感じる清々しい一冊でした。

世間には「自伝風自慢本」が溢れかえっています。自分の運の良さを棚に上げ、さも自分の苦労が成功の秘訣かのように語る「自慢本」が。そうした自慢本は編集者の誘いのままに、イイことがあった直後に、イイことの旬が過ぎないうちに書かされ、消費されていきます。しかし、吉田さんの著書には旬はありません。永久不滅の金字塔を打ち立てた偉人が、父から子へと脈々と受け継がれた哲学をまとめたのです。吉田さんのファンならずとも、「人生に真剣に立ち向かおう」とするすべての人にとって手にする価値があるものです。

ただ、ひとつ申し添えておくと、読んだところで参考にはなりそうにありません。吉田さんが強すぎるのです。成功哲学本にありがちな「苦労した、工夫した、成功した」の流れが、「1回ウッカリ負けた、ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!、相手が死んだ」みたいな感じで各段階の程度がオカシイのです。吉田さんは地上最強となってから2回ほど負けていますが、その2回の話が何度も何度も登場し、執拗に執拗にソレを乗り越えていく姿を本書は丹念にしつっこく描いていきます。「負けから学ぶ」とは言いますが、ひとつやふたつの負けからこんなに学んでいては、「勝ったり負けたり」の僕ら一般人では身がもちません。

しかも、吉田さんは「逆境ほどむしろ強くなる」という戦闘民族みたいな異常体質があるようで、これまた参考にならない。「ロンドン五輪では直前の敗戦から立ち直るための時間が短く、心配で眠れなかった」と言いつつ本番では無失点完勝の金メダル獲得。「レスリングの五輪復帰運動で飛び回った」直後の世界選手権も無失点完勝の金メダル獲得。最終的に金メダル獲ることは変わらないものの、内容はより圧倒的になる。「疲れてたので上手に手加減できなかったよゴメンね」みたいな感じの成功哲学を披露されても、僕らには活かしようがありません。

まぁ、この本を手に取るのは、多かれ少なかれ戦闘民族でしょうから、いいんですかね。宮本武蔵の『五輪書』を読むのが武道家であるように、五輪を目指す戦闘民族のみなさんにこそ、この本はふさわしい。東京五輪を目指す若きアスリート諸君にこそ、この本を読んでもらいたい。偉大なサオリ・ヨシダの哲学を吸収し、自身もまた世界の王となるべく、毎日を大切にしてもらいたいもの。そうした気持ちを呼び起こすものが、この本にはあるはずですから。

ということで、そんな吉田さんの著書発売を記念したサイン会に行ってきましたので、生吉田さんとの接近遭遇についてレポートしていきましょう。

◆我々は見た!新宿タカシマヤの奥地に伝説の聖獣サオリ・ヨシダを!

僕は当初、この本の内容を誤解していました。本のタイトルが「明日へのタックル!」で、本のオビには「読んだ人まで強くなる」と書いてあったもので。「通信制のカラテみたいなヤツかな」「殺すタックルの角度とかが書いてあるんだな」「女性向けの相手を殺しちゃう護身術かも」と僕が誤解したことは、まったくもって僕のせいではないはずです。



しかし、実際は前フリで記したような「成功哲学本」だった。その点においては、一言モノ申さねばならん…そう思って僕が向かったのは新宿タカシマヤ。この奥の奥に構える紀伊國屋書店で、吉田さんがサイン会を実施するというのです。吉田さん自体は何度か肉眼で目視していますが、接近遭遇するのは初めて。僕の中にも、わずかな緊張感が走ります。一応カバンには万一のときの得物とすべく、折り畳み傘を忍ばせておきました。

↓サイン会を実施する紀伊国屋書店では吉田さんの著書を猛プッシュ中!


スポーツ関連本では高橋大輔、羽生結弦、吉田沙保里などが面出し展開!

やはり、世間はメダリストに学びたいのだな!

↓チューブ付きのトレーニング本みたいなのは隅っこのワゴンで展開中!


隅っこのワゴンがよく似合う本だな!

まぁ、吉田さんのトレーニング法とか書かれてもマネできそうにないからな!

このぐらいのレベルのほうが一般人もマネできて結構!

少し遅刻して会場にたどりつくと、そこにはすでに人だかりができていました。そして僕のスカウターに反応するドデカイ戦闘力。間違いない、ヤツがいる。僕は前方からの逆風のようなモノに圧されて、なかなか前に進むことができません。本棚にしがみつくようにして徐々に前進していく僕。まるでそこに火山でもあるかのような圧迫感。近づいてはいけないと、何度も心が警報を鳴らします。しかし、僕は行かねばならない。ヤツに一言モノ申すために!

↓ココにヤツがいるのか!待っていろ、今行くぞ!


まさか猪木みたいにビンタするパターンじゃないだろうな!

猪木と違ってシャレにならんぞ!

↓「吉田さんはこんな本を出すべきだったのでは?」という企画案を携え、僕はジリジリと前進していく!
<吉田沙保里さん向け新刊企画案>

●『吉田沙保里はなぜ伊調馨を殺さなかったのか』

膨大な取材と関係者へのインタビューから構成する、レスリング界伝説の巨人を巡るドキュメント本。最強を謳われながら雌雄を決することなくマットを降りた両雄の知られざる想いとは。吉田沙保里が残した「ライオンとてトラがいなければ寂しいものだ」「私は私を超えるかもしれない存在を愛す」「私は敗北を知りたかったのだ」などの言葉の真意とは?

●『人間が吹き飛ぶ片づけの魔法』

世の中には目障りな人間が多すぎる!片づけてスッキリしたい!そうお悩みのアナタに贈る、片づけ本の決定版。魔法というか、ぶっちゃけ肉弾戦で、目障りなアイツを遠くに吹き飛ばしてやりましょう。「マンションの最上階住みですけど、窓から片づけられますか?」「思ったより人間が飛びません…」「一度にふたり片づけたいです」などの実践Q&Aも収録。

●『ヨシダズブートキャンプ』
30日間で自分の肉体をガッチガッチにする方法を記した吉田流トレーニング術。「1時間ドラマを見ながら腹筋4万回」「iPodで音楽を聴きながら東京箱根間往復」「食後30分以内に電柱を倒す」など誰にでもできる簡単なトレーニングが満載で、女性から男性まで幅広い層にオススメ。吉田さんのチカラでも簡単には引きちぎれないトレーニング用タイヤ1本つき。

●『倒し方が9割』

対人コミュニケーションにおいて大切なことは、心でも言葉でもない、屈服させることだ。そんな著者の哲学から繰り出される、目からウロコのコミュニケーションスキル集。「打ち合わせで揉めたらタックルで倒せ」「面倒なクレーマーはタックルで倒せ」「プレゼンでは決定権のある人間をタックルで倒せ」など、掲載内容の9割は相手を倒すパターンです。残り1割は投げるパターンです。

●『レスリングが最強の格闘術である』

レスリングの魅力、強さの理由などを掘り起こしていく「誰もがレスリングをしたくなる」指南本。レスリングと他の格闘術の比較をする章では、「最終的に戦って決めるやん」「私がレスリング背負って行くやん」「絶対勝つやん」「ということはレスリングが最強やん」という論理的な展開によってレスリングの優位性が証明されるなど、格闘家ならずとも必見の一冊。

●『ばき』
週刊少年チャンピオンで連載中の人気漫画の最新シリーズ。恐竜時代の生き残りを倒し、宮本武蔵のクローン人間を倒した主人公の前に立ちはだかったのは地上最強の生命体ヨシダだった。中国武道を、空手を、父・勇次郎を退けたヨシダに主人公はどう挑むのか。最終話「刃牙、死す」を括目して見よ!

普通の自伝とか求めていません!

宇宙人と戦って地球を守った話、太古の神が甦ったけれど再封印した話、海底に沈んだ超古代文明を見つけて残党にトドメを刺した話、フォースに安定をもたらした話などを待っています!

明日へのタックル! [ 吉田沙保里 ]

価格:1,296円
(2015/2/9 04:16時点)
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僕は事前に入手した整理券を手に、ジッとそのときを待ちます。吉田さんは訪れた購入者ひとりひとりに丁寧に声を掛け、丁寧にサインをしていきます。そして笑顔を見せます。僕はその姿を見ながら思いました。「あれ、結構カワイイな」と。

確かに今日の吉田さんはいつもの戦闘民族ではなく、ジャケットでオシャレをしてきています。髪を結いあげ、ばっちりメイクもしています。しかし、それだけではありません。目の前で見る吉田さんは、思ったより身体が小さく、思ったより目が大きい。そして笑顔が素敵だった。

エッチなお店ではパネマジ(パネルマジック/写真は可愛いのに会うと全然可愛くない)という現象があるそうですが、それにならえば吉田さんは「逆パネマジ」といったところ。映像よりも実物は3割ほどよく見えます。僕は実物を見ては「カワイイな」と思い、自分で撮った写真を見ては「いつも通りだな」と思い、戸惑っていました。僕の写真が下手なのか、肉眼にだけ作用する呪いでもあるのか。とにかく吉田さんは輝いていました。

↓どうでもいいけど、警備員いりますかね…?自分より弱い人に守ってもらっても…?


あぁ、万一のとき盾にする用途ですかね!

毒矢とか撃たれたら、横の警備員で受け止めて、投げつけて倒す、と!

(※なお、この写真はいつも通りの吉田さんです)

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吉田さんは水も飲まずにサインをつづけます。人の列は120人ほどいたでしょうか。1000人くらい来てもオカシクないと思っていただけに、僕としてはちょっと意外でした。まぁ通りかかるオバチャンが「この人アレよ、ラグビーの金メダル!」と言っていたくらいですので、吉田さんの知名度もまだまだなのかもしれません。ラグビーはまだ五輪競技じゃないですからね。出りゃ「全員タックルで病院送り」にして金メダル取れるでしょうがね。そして実は会場には、スタッフみたいな感じで登坂絵莉さん(世界選手権王者)も立っていたのですが、誰も声掛けしていなかったので、レスリング自体がまだまだこんなもんなのかもしれませんね。

そして時間は巡り、いよいよ僕の番。僕は本を差し出しながら、物申すチャンスをうかがいます。しかし、目の前で見る吉田さんから、シャンプーみたいな匂いがして、物申すが頭から飛んでしまいます。出た、また悪い癖、「目の前緊張病」だ。結局、僕は予定していた企画案を提示することもなく、婚姻届を差し出すこともなく(※持ってきてなかったので)、「いつも元気をもらっています」などと普通のファンみたいになってしまいました。

最後に吉田さんが伸ばしてきた手。僕はそれを両手で握りしめながら、グッとチカラを込めました。刺客としての最後の意地です。だが、その手はまったく想像を裏切る形で柔らかかった。ふっくらしていた。レンガみたいな手触りを想像していたのに、大福みたいなもっちもち感だった。ズルイよ、吉田さん。こんなOLみたいな手で握ってくるなんて。これじゃチカラ比べもできないじゃないですか。負けるとわかっていても、派手に負けようと思っていたのに。「ギニヤーーーッ!」とか叫んで倒れようと思っていたのに。その手を引いて、どこかへ連れ出したくなっちゃうじゃないですか…。

↓そして僕は、ただただサインをもらって生吉田さんとの接近遭遇を無為にしてしまった!



あぁぁぁぁぁぁ!

どうせなら手ぐらい舐めればよかった!

その後、僕はせっかく書店に来たので、グラビア写真集でも買って帰ろうかと物色します。しかし、どうしても乗り気になれません。生吉田さんのせいでしょうか。あの柔らかさのせいでしょうか。僕はその感触を手に残したまま、帰ってひとっ風呂浴びました。そして、その柔らかさを感じるように身体を洗いました。夜、テレビで見たところでは、大学の10コ下の後輩にまで「男の子紹介してよ」と言っているらしいですね。「それならいっそ」という気の迷いがモヤモヤしてきますね。男って、そばにいる人を好きになる生き物なんですね…。

↓イベントの最後は何故か「太鼓と共に獅子舞が乱入して無差別にかみつく」というものでした!この日イチのカワイイ吉田さんでお別れです!


この笑顔でタックルされたら、「もうフォールされてもいいかな」って思ってまうわ!

ま、意識があればの話ですけどね!

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吉田さんセミヌード写真集発売のサイン会があれば、今度こそイキます!