女性たちをとりこにする宗教家にふんする井浦新
 - (C) 2015「悼む人」製作委員会/天童荒太

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 モデルから俳優に転身し、映画『ピンポン』で脚光を浴びた後も蜷川幸雄や若松孝二ら大御所監督たちと組んできた井浦新が、最新作『悼む人』ですごみのある演技を披露し、役者としてさらなる飛躍を遂げている。

 モデルとしてパリコレなどで活躍した井浦は、是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』でスクリーンデビュー。『ピンポン』では準主役のスマイル役で、クールなメガネキャラがウケて大ブレイクした。その後、演出が厳しいことで有名な監督たちの作品にも進んで出演。若松監督の『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』では三島由紀夫を演じ、同作をきっかけにARATAから井浦新に改名したことも話題に。どんな役にも全身全霊で挑むのが井浦流で、蜷川監督の『蛇にピアス』にはスキンヘッド&顔面ピアス姿で登場し、観客を驚かせた。

 その活躍は映画だけにとどまらず、近年はテレビドラマ「蜜の味 〜A Taste Of Honey〜」「同窓生〜人は、三度、恋をする〜」などで主演を務め、再び人気に火が付いた。14日に公開される映画『悼む人』では、石田ゆり子演じる倖世の夫で、エリートゆえに深いジレンマを抱える甲水朔也役を務め、死後は亡霊となって妻につきまとう姿を怪演してみせている。本作では石田との濃厚なベッドシーンにも挑戦。危険をはらんだ色香で女性たちをとりこにする今回の役柄では、持ち前のミステリアスで陰のある魅力が存分に発揮され、大人の男の色気を放っている。

 多くの有名監督に愛され、俳優として演技力を磨いてきた井浦新の人気はアラフォー女性を中心に広がり、今最もホットな俳優の一人として注目を浴びている。(平野敦子)

映画『悼む人』は2月14日より全国公開