その時代ごとに理想的に美しいとされてきた女性の体型を現代のモデルで紹介した動画が、YouTubeで1,500万再生を超えるなど世界中で話題になっています。

動画では、古代エジプト(紀元前1292〜1069年)、古代ギリシア(紀元前500〜300年)、中国の漢王朝(紀元前206〜紀元後220年)、イタリアのルネサンス期(1400〜1700年)、イギリスのビクトリア朝(1837〜1901年)、狂騒の20年代(1920年代)、ハリウッド黄金期(1930〜1950年)、スウィンギング・ロンドン(1960年代)、スーパーモデル時代(1980年代)、ヘロイン・シック(1990年代)、ポストモダンビューティー(2000年代〜現在)の11の時代に合わせて、それぞれの理想とされた体型をしたモデルが登場しています。

手足が長く、スラっとしたスタイルの古代エジプト

美の象徴を表す写真や資料が明確にない時代に関しては、絵画や彫刻で描かれた女性のスタイルをもとにしています。古代エジプトは、壁画にあるように背丈が高く手足も長い女性が美しいとされていました。細い肩のラインに高い位置にある腰も特徴です。また、編み込まれた髪の毛に均整の取れた顔、メイクは目の周りに細いアイライナーを引くのが美人の証でありました。

丸みが美しいとされたルネサンス期

11人の中でも一際ふくよかで豊満なスタイルをしたルネサンス期の女性。大きなお尻と胸はもちろん、丸みを帯びることが美の象徴とされていました。青白いくらいの肌の色、赤みがかかったブロンドの髪、広いおでこは、肉体美の重要なポイントだったようです。

「ヘロイン・シック」と呼ばれた90年代のカリスマ、ケイト・モス

1990年代に世界中から絶大な人気を誇ったカリスマモデルのケイト・モスをイメージした90年代。当時は「ヘロイン・シック」と呼ばれる痩せこけたモデルが横行した時代でした。健康的でゴージャスな1980年代のスーパーモデル時代と比べると、その差は歴然。10年の間で時代に求められるモデルが様変わりしたという変化のスピードにも驚きます。

ネット上の反応は

この動画を見た人からは、

・すべての体型がそれぞれ個性があって美しいと思う!
・現代女性がcurvy(曲線的な体型)をfat(太っている)と思っていることは悲しいな
・自分の体が嫌いだったけど、なんだか勇気もらえた
・最古の古代エジプトと最新の現代の体型が結構似ているのが面白い!

といった様々な意見があがっていました。男性が自分の好みの体型を時代で主張したりなど、ネット上では盛り上がっているようです。

美的感覚というのは、その時代に人気のあるヒロインやスター、さらには環境や社会システムによって流動的に変化していきます。その時代にウケる体型というのは一過性のものですし、「自分は太りすぎ」「あの人のような体型になりたい」とただ自分を否定するのではなく、自身の美しさを肯定していくことの方が大切なことでしょう。

 

(笹崎ひかる)