『誇り―ドラガン・ストイコビッチの軌跡』(集英社)

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 今月4日、元名古屋グランパスエイト監督のドラガン・ストイコビッチ氏がTBS系『NEWS23』の取材に応じ、日本代表監督のオファーが来たら受け入れる方針を明らかにした。日本のことをよく知っている人物がいいというのは、協会とファンが希望する共通項であり、プレーヤーとして7年、監督として6年を日本で過ごしたストイコビッチ氏は、うってつけのようにも見える。しかし、この世界的なスーパースターの日本代表監督就任は、熱望する声よりも、不安視する声の方が大きいようだ。

「そもそもアギーレ解任の理由が、八百長疑惑によるダーティなイメージの払拭が目的。だが、ストイコビッチも13回というJリーグ歴代最多退場記録を持っているし、監督としても2度退場している。キレやすいイメージが強く、審判からイエローカードを奪って、審判に突き付けるという事件もありました。地元セルビアの人気クラブ、レッドスターの会長時にも金銭トラブルで揉めるなど、決してクリーンなイメージの監督ではないはず。これで就任したら、協会が何を考えているのか、ますますわからなくなる」(スポーツライター)

 しかし、サッカーにクリーンなイメージなど必要ない、良いサッカーをして勝ってくれればいいというのがファン心理なはずだ。それでもストイコビッチ就任を喜べない理由は、ほかにもあるという。

「プレーヤーとしてのストイコビッチはネームバリューもあるので、親善試合が組みやすいという利点はある。そのカリスマ性で、世界とも堂々と戦うことができるだろう。しかし、監督としてはあまりにも経験不足。代表監督の経験もないし、名古屋グランパスで一応タイトルは取っているが、それも強力な外国人FW頼みのサッカーだった。日本人に適したスタイルがやれるのかは、疑問符がつきまとうところ。これで、本当に就任でもしたら、ネームバリューだけで採用したジーコジャパンの過ちをもう一度繰り返すハメになる。ファンからも『大物ならいいというわけではない!』『大好きなストイコビッチが叩かれるのを見たくない』との声が上がっているようだ」(同)

 盆栽が好きだったり、グランパスの夏季キャンプで鮎を30匹食べたり、朝食に納豆がなくキレたこともあるという大の親日家のストイコビッチ氏。日本と良い関係を保つためにも、風当たりの厳しい代表監督をしてほしくないというファン心理は、わからないではない。
(文=沢野奈津夫)