今年のバレンタインについて語る勝間和代さん

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 もうすぐバレンタインデー。デパート、スーパーマーケットにコンビニだけでなく、街中にチョコレート売り場が並んでいる。2月14日が日曜日になると少し減るが、この時期のチョコレート販売額は約500億円の規模を20年前から維持している。評論家で大のチョコレート好きでもある勝間和代さんも「チョコレートは有望な市場ですね」と注目している。

「お中元やお歳暮のことを思えば、義理チョコなら100〜500円、本命だと数千円なのでギフトとしては安価ですよね。義理だとわかっていても、もらった人がすごくうれしいのもバレンタインならでは。日持ちがして、コンパクトな大きさなので抵抗なく受け取れるのもチョコレートだからこそです。

 これからの日本は少子高齢化でどんどん高齢者が増えます。分量が少なくても満たされる嗜好品へのニーズが高まるでしょう。その望みをかなえるのに、チョコレートはぴったりの食品といえます」

 日本人全体の平均寿命が80歳を超えた1996年に酒類販売数量はピークを迎え、以後は若者のアルコール離れも加わり減少するばかりだ。健康に気を配ることが今や全年齢層の常識となり、低カロリー、糖質やプリン体が少ないことをうたう食品がヒットを続けている。甘いチョコレートは嫌われそうだが、ダイエットに成功した経験を記した著作もある勝間さんは「チョコレートはダイエットの敵ではありません」と断言する。

「甘いからカロリーや糖質も高いはずと思い込んでいる人が少なくないですが、チョコレートは一度にたくさん食べられる食品ではありません。だからダイエットの障害にはならないんですよ。

 たとえば、ごはん一杯あたりの糖質は約60グラムですが、チョコレートで同じだけとろうとするとけっこう大変です。子どものころならともかく、大人になると板チョコ1枚を一度に食べきるのは苦しいですよね。板チョコは1枚当たり約60グラムですが、そのうち糖質は約30グラムしかなく、一回あたりの糖質量はもっと少ない。チョコレートは物理的にたくさん食べられないから、ダイエット中でも間食として気にせず口にできるんです」

 メタボもダイエットも気にせず、食べすぎなければ間食にうってつけの嗜好品がチョコレートだという。しかし、会社などでチョコレートを貰い、1年のなかでも1番食べすぎてしまう可能性の高い時期がバレンタインデー。そのため、健康を気遣ったプレゼントとして、近年では健康に配慮した特徴をもつチョコレート、ヘルシーであることに注力したチョコレート“ヘルチョコ”がひとつのジャンルとして確立しつつあり、人気を集めている。

 砂糖不使用や高カカオポリフェノールをうたったドクターズチョコや、アミノ酸などリラックス成分を加えたものが注目を浴びている。レシピサイトでは、生クリームの代わりに豆腐を使ったチョコトリュフが人気だ。そして、ダイエットの面からも人気が高い大豆をまるごと摂れる大豆バー『SOYJOY』にもアーモンド&チョコレートがある。罪悪感に悩まされずにチョコレートを食べたい人へのプレゼントにもぴったりだろう。

 ますます広がりを見せる日本のチョコレート市場だが、勝間さんは「成熟の余地がまだたくさんあります」という。

「チョコレートは味だけでなく、食感を味わう食べ物でもあります。テクスチャーと呼ぶのですが、口中で溶け出すなかで、どこが硬くてどこが柔らかくなるのかを楽しむもの。口触り、溶け方、歯や舌への感触、ココアへの中毒性などいろんなもののミクスチャーを味わう。だから官能的なんですね。チョコレートとは食感を楽しむものという認識がもっと広がってほしいですね。

 新しいチョコレートの楽しみ方を知るという意味では、バレンタインデーはよいイベントです。女性が選んだものを男性が食べる文化ですから。男性でも食べ物にこだわる人はいますけれど、圧倒的に女性のほうがチョコレートについてはセンスがある。女性から教わりながら、日本のチョコレート市場は成熟していくのだと思います」

 義理チョコ、本命チョコだけでなく、友チョコ、自分チョコなど贈るパターンのバリエーションが多様化したこともあり、チョコレートを食べる機会が増えるバレンタインデー。今年は素材や食感、健康的な”ヘルチョコ”など、チョコレートの特徴に気持ちをこめてみてはどうだろう。

撮影■山崎力夫