「下請け」として扱われることの多かったエンジニアがいま、職場の主役になりつつある。グーグルやフェイスブックは、エンジニアが立ち上げ、世界に羽ばたいた企業。グーグルに至っては自動走行車すら開発してしまうなど、技術が生活や常識を変えることも証明した。

 日本でもエンジニア争奪戦が始まっている。求人情報サイトを運営するエン・ジャパンによると、3大都市圏のIT系エンジニアの平均時給はこの2年で約1割アップ。2014年12月は、調査をはじめた12年1月以降で最高時給となった。

 リクルートでは、14年3月末で700人だったエンジニアなどのIT人材を、1年で1千人に増やす計画だ。運営するメディアサービスの約3分の2がネットに移行したリクルートでは、エンジニアがその競争力を強靱なものにする。

 不動産・住宅の総合情報サイト「SUUMO」は、13年に「レコメンデーション機能」を導入した。ネット上の客の動きから志向をつかみ、オススメ物件をネット上で紹介する。導入後は物件の資料請求率が倍増したという。

 だが、グーグルやアマゾンなど名だたる企業が日本に進出した今、優秀なエンジニアの採用は簡単ではない。そのなかで、純国産のリクルートが健闘しているのは、東京・恵比寿にある研修施設兼開発拠点「エンジニアハブ」の存在が大きいという。

 これは12年に買収した米企業「Indeed」とともに14年2月に立ち上げた。Indeedは55カ国28言語で人材紹介サービスを展開するが、エンジニアハブはその開発拠点のひとつになっている。一般に、世界に向けたサービス開発は主にアメリカで行われているが、日本でそれに携われる環境は貴重だ。

「エンジニアの興味は、仕事内容とワクワクする仲間がいるかどうか、にある。それを満たしてくれるこの施設は、優秀な人材の登用にも貢献しています」(リクルートホールディングス人事統括室の今村健一室長)

AERA 2015年2月9日号より抜粋