韓国では、27年ぶりのアジアカップ決勝進出に導いたシュティーリケ監督(右)と解任されたアギーレ監督(左)の現状を比較し、日韓の明暗逆転を報じるメディアも。

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 日本サッカー協会がハビエル・アギーレ監督との契約を解除したニュースは、お隣の韓国でも各種メディアで一斉に報じられた。
 
「日本サッカー協会、アギーレ監督解任」(一般紙『東亜日報』)
「八百長疑惑のアギーレ日本代表監督解任」(地方紙『慶南日報』)
「日本サッカー協会、アギーレ監督契約解除」(スポーツ新聞『イルガン・スポーツ』)
「日本、八百長疑惑のアギーレ監督、8か月目にして更迭』(ネットメディア『エクススポーツ』)
 
 全国ネットのテレビMBCの『ニューストゥデイ』や国営放送のKBSでも「日本代表、アギーレ監督解任」を報じている。そのほとんどが
「八百長疑惑を強く否定したアギーレ監督だったが、アジアカップ8強脱落という成績不振も重なり、監督の座から退くことになった」
 と分析しているが、決め手となったのはやはり“八百長疑惑”と見ているメディアは多い。
 
「結局、大鉈を振るった日本、八百長疑惑のアギーレ監督更迭」としたネットメディアの『MKニュース』も、記事のなかで
「日本サッカー協会はアギーレ監督との同行を希望したものの、今後も代表の活動に支障が生じると判断し、契約解除に至った。アギーレ監督もそれに同意した」
 と報じている。
 
 目を引いたのは「急いだ日本と遅れた韓国、7か月にして変わった運命」と題されたネット総合メディア『news1』の記事だ。ブラジル・ワールドカップ直後にいち早くアギーレ監督が就任した日本について、
「ブラジル大会直後に名将アギーレ監督を招聘した日本の素早い仕事運びと準備は拍手に値した。しかし、アギーレ監督と日本の旅は期待した結果とは異なった」
 と暗転した現況を説明。
 
 続けて、自国の状況と対比しながら、次のように述べている。
「日本とアギーレ監督との幸せではなかった同行は、韓国と比較すると対照的だ。韓国はブラジル・ワールドカップ以降、監督選任の過程で苦労を重ね、ようやくシュティーリケ監督を招聘した。紆余曲折を経て迎えた指揮官だったが、アジアカップでは優勝こそ逃したものの27年ぶりの決勝進出に導き、ブラジル大会で代表チームに背を向けたファンたちを振り返らせることに成功した。7か月前に正反対だった日本と韓国の雰囲気は、アジアカップの結果とともに、明暗を分けた監督たちの運命によって完璧に変わってしまった」
 
 日韓の代表監督が比較されるのは今回が初めてではないが、まるで日本が勇み足を踏み、残り物に福があって得したのは韓国だったとするような論調である。
 
 それだけ韓国でも日本サッカーの動向が注視されている裏返しとも言えるが、韓国メディアは日本サッカー協会の後任選びにも注目している。
 
 スポーツ新聞の『スポーツ朝鮮』は、
「日本メディア、アギーレ更迭を大特集。反応はさまざま」
 とした見出しとともに、日本の主要新聞の一面記事を掲載。さらに日本サッカー協会の責任論が叫ばれていることや、ストイコビッチ、ジョルジーニョ、レオナルド、オズワルド・オリヴェイラ、ルイス・フェリペ・スコラーリなどが後任候補に浮上していることなど、日本の報道をくまなく翻訳して報じている。
 
 スポーツ新聞の『スポーツ・ソウル』は、日本国内のウェブ記事を引用しながら
「アギーレ解任のその後…日本、後継者探しには最悪のタイミング」
 とも報じた。日本代表監督の後任人事は、どうやら韓国でも何かと気になる様子だ。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)