アギーレ監督だけを悪者に仕立てる? 協会の姿勢は疑問だ。(C)SOCCER DIGEST

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 日本サッカー協会で緊急会見が開かれ、日本代表のアギーレ監督との契約解除が発表された。
 
 その理由として、大仁会長は会見でこんなことを言っている。
 
「昨日2月2日の夜遅くにアギーレ監督に対する検察の告発が受理されたという事実が確認されました。アギーレ監督の告発が受理され、裁判が始まる可能性があります。我々としてはできるだけ影響が出ないように、そういうリスクを排除する必要があると考えました。ということで、今回アギーレ監督との契約を解除するという決断に至りました」
 
 どうも腑に落ちないのは、スペインの現地メディアや日本のメディアに検察の告発が裁判所に受理されたと報じられたのが1月半ばだったこと。それから半月ほどが経過してしまっている。
 
 その間、アジアカップで他国からも八百長のことを突っ込まれ、日本サッカーのイメージは悪くなる一方だった。
 
 アジアカップで優勝すれば、八百長問題に関係なく、指揮を続けさせようと思っていたのだろうか。ところが、ベスト8で敗退してしまったから、さっさと休暇を取らせ、いなくなってから発表したのか。
 
 アギーレにもこの件について語る権利はあるはずだ。それなのにアギーレだけを悪者にして、誰も責任をとらないで、この問題を終わらせようとしている。
 
 大仁会長が「3月の試合には間に合わせたいとは思っている」と言ったけど、これはメディアや世間の目を「責任問題」から「次期監督」に移そうとしているだけだ。メディアもサッカーファンも、こんな分かりやすい餌に食いついて、騙されちゃいけない。
 ブラジル・ワールドカップが惨敗に終わった時もそうだったよね。早々にアギーレ監督の就任を発表し、話題をそちらに集中させて、なし崩し的に誰も責任を取らなかった。それと同じことをしようとしているんだ。
 
 少し考えれば、順番がおかしいことにすぐ気づくよ。責任を取るべき人間に、次の代表監督を選ぶ資格はない。次期監督選びは二の次で、日本サッカー協会の改革が先だ。後任としてどんなに世界的な名将が来てくれようと、日本サッカー協会の体質が変わらなければ、同じことは繰り返されるよ。
 
 そう言えば、霜田技術委員長が日曜日にサッカー番組に出ていたけど、あれはいったいどういうつもりだったんだろう。昨日の今日のような話だよ。よくもまあ、テレビに出られたものだ。それとも、まさかこんな事態になると思っていなかったのか、あるいは、協会内で情報を共有できていないのか……。
 
 いずれにしても、メディアはすぐにでも裁判所に問い合わせて、いつ受理されていたのか、調べなければならない。
 
 スペインでの報道のとおり、1月半ばに受理されていたなら、組織ぐるみで受理確認のタイミングをここまで遅らせていたと言われても文句は言えない。日本サッカー協会の幹部は総辞職すべきだ。
 
 こんなこと、普通の企業で起きたら、緊急で株主総会が開かれて、会長、社長、関係者は責任を取ることになる。
 
 それに、普通ならスポンサーは降りるよ。こんなダーティな企業にお金を出していたら、スポンサー企業のイメージまでダウンしてしまうからね。
 
 これまでの日本サッカーの歴史を振り返ってみても、初めてと言える大問題だ。日本サッカー協会を改革するなら、今しかない。
 
 メディアは「次期監督」のスッパ抜きなんかに躍起にならず、協会の責任問題を追及するキャンペーンを張るべきだ。そうじゃないと、みんなの日本サッカーが一部の権力者の都合のいいようにされ、おかしくなってしまうよ。