ジャガイモのきた道

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マクドナルドやケンタッキーフライドチキンの店頭から、一時ポテトフライが消える、というニュースが話題になった。なくなると途端に食べたくなる愛しい味。今まで「イモみたい」なんて馬鹿にしてごめんなさい。ジャガイモは今も昔も人類の胃袋を支えてきたのだ。ジャガイモにもっと敬意を払おう! 今回ご紹介する3冊を読めば、ジャガイモのありがたさ、偉大さがよ〜く分かるはず。

J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」でも特集記事を公開中。

ジャガイモに秘められた歴史ドラマ

ジャガイモのことを系統立てて紹介しているのが「ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争」(著・山本紀夫、821円、岩波書店)だ。

なんせ岩波本でありますから、「新書」とはいえかなりの読み応え、民族植物学が専門の著者による骨のある学術書になっている。南米のアンデスで生まれたジャガイモがどうやってヨーロッパに渡ったか、日本にはいつどういう経緯で入ってきたかといった歴史、インカ帝国やヒマラヤなどの山地にジャガイモがもたらした影響などがていねいに紹介されている。

とはいえ、硬い無味乾燥の表現だけでなく...「『イモみたい』というようなじゃがいもを蔑視するような表現はいかがなものか!」「イモを食べると太ると勘違いされると困る、体にもいい!」といったジャガイモに対する著者の熱い愛も伝わってくる一冊だ。

復刊! 伊丹十三が翻訳した味のあるポテト百科

1976年に発行された名著「ポテト・ブック」(著・マーナ・デイヴィス、翻訳・伊丹十三、2268円、河出書房新社)が昨年2014年11月に復刊された。

絵本ではないけれど、要所要所のイラストがユニークでおしゃれで、おかしく、楽しくジャガイモの知識が深まるようになっている。序文はなんと、小説「ティファニーで朝食を」のトルーマン・カポーティが執筆。ジャガイモの正しい選び方からジャガイモを使ったゲーム紹介までいろいろありの、ジャガイモ百科。世界のジャガイモ料理も紹介されているけれど、写真が載っているわけではなく、レシピもなんだかアバウトで、本当にこれでおいしくできるのかと不安になってくる...、でも見ているうち、読んでいるうちに妙に納得してしまう、不思議な、味のある本。

ジャガイモを使ったオードブル、「マッチ棒」とか「ポテト餃子」という名前の料理は想像つくでしょう? でも「毛皮の中の豚」だとかメイン料理の「ロシアの大草原」なんてジャガイモ料理、どんなのか分かります? 答えが気になる方はぜひご購入を。

ポテトサラダがおいしい店は何を食べてもウマイ

数あるジャガイモ料理のなかでも「ポテトサラダ」に特化したグルメ本が「ポテサラ酒場」(監修・マッキー牧元、1598円、辰巳出版)。

某老舗のバーで、ウイスキーに合う一番人気のつまみがポテトサラダだと教わったことがある。誰でも作れるポテトサラダ。でも、ニンジンを入れるか入れないか、タマネギはみじん切りかスライスか、きゅうりは? りんごは? トッピングにらっきょうを刻んでのっけたり、松の実だったり、ゴルゴンゾーラチーズを混ぜたり、魚介もありだ。バリエーションはいろいろで、実に奥が深い。メイン料理の付け合せではなく、ポテトサラダはバリバリの主役をはれるのだ。

本書はポテトサラダのおいしい居酒屋、バー、食堂など36店を紹介するもの。秘伝レシピが公開されていたり、著名人のこだわり紹介があったり、おいしいポテトサラダパン紹介があったりと、なかなか凝った作りになっている。

それだけに、ポテトサラダを「ポテサラ」などど、安易に略したタイトルはもったいない!?