アベノミクスの信任で「第3の矢」が加速。

焦点は予算編成

昨年12月14日に投開票が行なわれた衆議院選挙で自民党は大勝した。これにより、安倍政権が進める「アベノミクス」政策は、2017年4月の消費税率10%への引き上げに向けて第2幕がスタートすることになる。
衆院選の大勝で国民の信任を得た「アベノミクス」だが、これからの道のりは決して楽なものではない。むしろ問題が山積し、爐い个蕕瞭〞といえるだろう。
年明けの通常国会では消費税率再引き上げの延期に伴う消費税増税法案の改正を行なわなければならない。消費税率の再引き上げ延長はさまざまな悪影響を及ぼしている。2015年度予算の編成は「一からやり直しのため、大幅に遅れている」(財務省幹部)。まずは2015年度予算が遅れることなく編成できるかが焦点だ。
同時に、消費税率の再引き上げを前提として進められていた住宅ローン減税、自動車取得税の廃止、低所得者対策、年金生活者支援給付金などについて、実施するのか否か、実施する場合の財源をどうするのかなどの検討が必要になる。
さらに、法人税減税を2015年度から実施する場合、財源をどうするのかの検討も必要だ。
財源については、日銀の異次元緩和により、事実上の犧眄ファイナンス〞が行なわれているため、国債の消化に問題はないが、拡張的な財政運営が進められていることで財政健全化目標の達成には相当の困難が伴うことになる。
こうした点を踏まえると、補正予算、2015年度予算において緊縮財政を意識しながら、メリハリの利いた予算の使い方により、景気回復の道筋を確かなものにすることが重要になる。
また、異次元金融緩和の効果による円安で日経平均株価が上昇し、資産価値が拡大している一方、円安による輸入物価の上昇により、個人・中小企業に悪影響が出ており、これが「格差社会を増長している」との批判もある。こうした問題をどのように緩和していくのかも重要だ。
だが、後ろ向きの話ばかりではない。第3次安倍内閣は「3本の矢」のうち最も遅れている成長戦略に前向きに取り組むだろう。それが景気回復への要となるからだ。特に例年6月に打ち出される「成長戦略」と「骨太の方針」については、今回は医療・労働・農業に代表される犂簇弋制〞の緩和などへの取り組みに期待がかかる。 (宗像正伸)

この記事は「ネットマネー2015年3月号」に掲載されたものです。