がん研有明病院の門田病院長

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総合力で見て、がんに強い病院はどこか。患者数、手術数といった治療実績だけでなく、専門医数や医療体制などのデータも参考に、がんに強い病院ランキングをダイヤモンドQ編集部が作成した。

順位 病院名 住所 得点合計(100点満点) 患者数 手術数 専門医数/病床数 医療体制
1 がん研有明病院 東京都 98.9 17.5 17.5 6.4 7.5
2 静岡県立静岡がんセンター 静岡県 90.9 15.2 12.1 6.1 7.5
3 国立がん研究センター中央病院 東京都 89.8 13.5 11.3 7.5 7.5

 がん部門で1位になったのは「がん研有明病院」。1934年に、日本初のがん専門病院として開設されて以来、「がん医療はかくあるべし」という指針を示し続けてきた先駆者だ。

 そうした歴史を踏まえ、門田守人病院長は、「もはや名医や神の手の時代ではない」と言い切る。

 難しい手術や新しい手術ができる、英雄的な外科医が主役となる医療から、専門家たちが一人一人の患者のために結集し、チームで診療するトータルケアに、がん医療は移行しているというのだ。昨今、「患者が主役のチーム医療」はどの病院も掲げている。しかし、同院のそれはレベルが違う。

 例えば昨年10月に婦人科医長に就任した金尾祐之医師は、これまで2500例以上の腹腔鏡下手術を手掛けてきた日本屈指の腹腔鏡の名手である。

「婦人科がんの腹腔鏡下手術は、傷痕が小さいだけでなく、腸閉塞などの合併症を起こすリスクを減らすこともできる非常に優れた方法です」と自信をのぞかせる。「もちろん症例によっては開腹の方がいい場合もある。私の専門は腹腔鏡ですから、普通だったら腹腔鏡に偏ってしまう。でも当院では、1人の患者さんを治すための全ての選択肢に専門家がいて、それぞれがなんのてらいもなくディベートし、最高の医療を提供することができます」と目を輝かせて話す。

 単に病気を治すにとどまらない「全人的ケア」にも注力している。とりわけ手術で切除する部分を極力減らす「機能温存手術」の開発には熱心だ。「胃を切除する場合でも、上部にある味覚や食欲に関係するグレリンというホルモンを分泌する部分を、ほんの少し残すのと残さないで全摘するのとでは、術後の食生活に、天と地ほどの違いがあります」と語るのは、消化器外科胃担当部長で日本を代表する胃がんの名医・比企直樹医師。体の「機能」に関する研究は、われわれの想像以上に進んでいるようだ。

 現在同院では、「がん研パワーアッププロジェクト」と称し、放射線治療施設の拡充と健診サービスの充実を進めている。今年1月からは、健診センターにおいて、一般のレントゲンと同じ線量で放射線被ばくを最小限に抑えたCT検査が受けられる「低線量CT」の稼働が開始された。これにより従来はできなかった大腸CT検査と上部内視鏡検査の同日検査が行えるようになる。

 開設から80年を過ぎてなお、がん研有明病院のパワーアップは止まらない。

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