Windows 10によって音声、ジェスチャー、ホログラムがあらゆる場所に。

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つい先日までマイクロソフトは、モバイル事業の出遅れをなんとか穴埋めしようとする、どかか間抜けな企業に見えていた。だが今日では、つまらないオフィス向け製品を主力とする同社は、最も心躍るある製品を世に出し、イノベーションの力を取り戻している。

その変化は衝撃をもたらすには十分なものだ。先週水曜、ワシントン州レドモンドで行われたWindows 10の記者会見と同時に、同社は多くの発表とデモを行った。最も注目すべきは、Cortanaの音声認識機能やジェスチャー、そして「Windows Holographic」と呼ばれる高性能の拡張現実プラットフォームに関するものだ。この製品は、よりリアルな3D画像をテキストとともに目の前に表示し、同社の新しいHoloLensゴーグルを通して見た現実世界にそれらを重ね合わせている(下にスクロールし、製品のビデオを参照してほしい)。

音声認識、ジェスチャーやウェアラブル・フェイスギアは特別目新しい技術というものではないが、マイクロソフトはその領域で大胆な動きを見せている。同社はモバイルでの失敗を繰り返さないよう決心し、人間対コンピュータという従来のインターフェースを刷新しようとしている。ユーザーが同社のテクノロジーに話しかけ、空中で3D画像を見て、手を使ってメディアやドキュメントと対話できることが期待されている。これが実現すれば、長きにわたって使われてきたキーボードやマウス、モニターは、突如としてその存在が脅かされるだろう。

こういった新しいインターフェースは、ハリウッド映画でよく見かけるものだ。現在この分野でチャンスを掴もうとしているのは、マイクロソフトだけではない。そしてこれまでとは違い、今回こそは成功が期待できる最高のチャンスと言えるかもしれない。

マイクロソフトの意図

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映画『Her』で、ホアキン・フェニックスは会話のできるコンピュータに恋する

アップルのSiriとグーグルのGoogle Nowに対するマイクロソフトの答えとして、Cortanaはスマートフォンのつまらない一機能から、同社の戦略において鍵となる存在となった。音声認識機能はWindows 10の一部として既に搭載されることが確定している。

人気ゲーム、Haloから名前をとったCortanaは、マイクロソフトの他の戦略にも大きく組み込まれている。例えば昨年提携したInsteon社製スマートホームでは、音声認識を有効にする方法としてCortanaが推奨された。また、Cortana はマイクロソフトが初めて進出したリスト・ガジェット、Bandのメイン機能でもある。

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InsteonのスマートホームはCortanaによって音声コマンドに反応する

これからユーザーはWindowsコンピュータと会話することができるようになるだろう。おそらく一斉に。

デスクトップPCの売上高は近年下落している。しかし、「米国の消費者のPC市場は最終的に2015年にはプラス成長に向かうでしょう」とIDCのパーソナルコンピューティング部門、シニア・リサーチ・アナリストであるラジャーニ・シンは述べている。その理由として「タブレット市場の低迷、小売業やOEMがPC市場を活性化させ、Window 10の導入と旧式のPCの買い替えを促す」ことが挙げられる。

アップルは第4四半期ではシェアを増やしているものの、Windowsを搭載したPCは現在もトップシェアを誇っている。NetMarketShareによると、90%以上のパソコンが現在Windowsを搭載しており、3分の2近くがWindows 7または8である。

アップグレードを通じてユーザーにWindows 10を導入させるのは、時間がかかるかもしれない。マイクロソフトは7と8のユーザーを新しい環境に早く移行させたいと考えている。そういう狙い背景にあり、これらのユーザーは今年Windows 10へのアップグレードが無料になると同社は発表した。非常に魅力的な話だ。マイクロソフトはユーザーに未来を味わってもらうため、Windows HolographicをWindows 10へ組み込んだのだろう。

さあ、HoloLensの登場だ

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これらのイノベーションは元CEO、スティーブ・バルマーの下で始まったのだが、彼の後継者、サトヤ・ナデラ―人を興奮させる(やや長ったらしい)話し手であると判明した男―の下で実を結ぶことになる。彼の指揮のもと、マイクロソフトはチーフ・イノベーター、アレックス・キップマンを登用し、製作に7年をかけてKinectを完成させている。

本当に重要なニュースとは、マイクロソフトが音声、3Dビジュアル、ジェスチャー機能を開発したことではない。主要なテクノロジー企業のほとんどは同じことを行っている。本当に重要なのは、マイクロソフトが製品やサービスを連携させたことにあるのだ。それも、未だにアイアンマンになりかったり、マイノリティ・リポートのようなテクノロジーを使いこなしたいと願う、われわれのインナーチャイルドに訴えるやり方で。

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拡張現実を見るときに、無駄に大きい装置を付けて見た目が損なわれることはない。マイクロソフトは今回われわれにそう信じさせたのだ。

少なくともWindows Holographic用のハードウェアは、われわれの目の前にリアルな3Dイメージを映しだすだろう。同時にCortanaによって、声で魔法のように情報を取り出したり装置を動かすことが可能になるだろう。ジェスチャーにも対応することで、空中で仮想アイテムを操作でき、われわれはコンピュータの指揮者気分を味わえるかもしれない。

(もしも絶対にディスプレイが必要で、たくさんの資金があれば、マイクロソフトの巨大製品、84インチ4KディスプレイのSurface Hubを検討してみてはどうだろう。巨大で、信じられないほど高解像度を誇るこのディスプレイは、推測だが、車と同じくらいの価格だ。現在までのところマイクロソフトは、実際の価格や可用性を発表していない)

マイクロソフトは10年後や5年後ではなく、今年、Windows 10とともにわれわれに彼らの言う未来を提供する予定だ。

一連の変化の要となるのは、ゴーグルセットと、その内部に埋め込まれた小型コンピュータからなるHoloLensだ。

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マーティ・マクフライがとっくの昔に未来を教えてくれていた

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マイクロソフトが発表したばかりのHoloLens

テクノロジーは、ゲームやエンターテイメントの追求に大きな意味を持つ可能性がある。しかしマイクロソフトは、より社会に影響をあたえるのであれば、その鍵は職場のアプリケーションにあるということを経験上知っている。

エプソンのMoverioのような既存の拡張現実デバイスや、Oculusとサムスンが開発したGear VR、Google Glassのようなその他のフェイスギアは、企業環境において非常に有用となり得る。想像してみよう。医師がハンズフリーで処置を行うことができたり、特定のビーコンポイントを見ることで、倉庫係はサプライチェーンのレベルを確認することができる。教室や美術館での授業を魅力的なものにできると、教師も興味津々だ。

競合製品はどれも目の前の映像を映し出すことはできないし、ジェスチャーと音声が連携しているわけでもない。一方でマイクロソフトはAPIも発表し、この技術の力を実際に体験するチャンスを開発者らに提供した。

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音声とジェスチャーによる仮想コンピューティング環境は、確かに一夜にして主流になることはない。しかし、それは誰もが考えていたよりも早く現実になりそうだ。そして驚くべきことに、あらゆる企業の中でもマイクロソフトがそれを実現する企業となるだろう。

同社が想像する未来を味わうには、以下の製品ビデオをチェックしてみてほしい。

画像提供:
各映画パブリシティ画像:「アイアンマン(Iron Man)」(Paramount Picture)、「マイノリティ・リポート(The Minority Report)」(20th Century Fox)、「her/世界でひとつの彼女(Her)」(Annapurna Pictures)、「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(Back to the Future, Part II)」(Universal Pictures)、「エンダーのゲーム(Ender’s Game)」(Summit Entertainment)
スクリーンショット(Microsoft press event)画像:Stephanie Chan
その他画像:Adriana

Adriana Lee
[原文]