為替は昨年12月、7年4カ月ぶりに一時1ドル=120円台まで下落した。現在は落ち着きを取り戻しているが、円の先安観は依然根強い。安倍政権が金融緩和でインフレを目指しているためだ。だが、インフレになれば円の価値は目減りしてしまう。びとうファイナンシャルサービス代表の尾藤峰男さんは「2、3年後に1ドル=150円、10年後に200円になることも十分に考えられます」と危惧する。そこで気になるのはその資産防衛策だ。

 インフレに強いと言われる不動産はどうだろうか。

 マイベンチマーク取締役の服部哲也さんが薦めるのは、土地やアパートなどの現物不動産よりも、「上場不動産投信(REIT)」だ。

 不動産は良いインフレになると、オフィスや賃貸住宅の需要が高まり不動産賃貸料の上昇が見込まれる。

「多くの人が不動産を持つというと、マンションの一室を購入したりアパート経営をしたりすることを想像するかもしれません。しかし、不動産価格が上がるかどうかは経済状況とともに、立地や部屋の大きさなどにもよります。不透明な要素が多い」(服部さん)

 REITであれば、空室リスクはないし、メンテナンスやクレーム対応も不要だ。現在50銘柄が上場しており、利回りは2〜3%台と安定して高い。小口の資金で買えるし、売買も容易だ。銘柄を選ぶのが難しそうと感じるならば、三菱UFJ投信の「eMAXIS国内リートインデックス」などがいいだろう。東証REIT指数の動きに連動するものだ。

 金はどうか。金は実物資産であるため、物価が上昇するインフレに強いと言われている。

「金利や配当金も生みませんが、物価上昇に対して価値が変わらないという意味でインフレに対応する商品です」(尾藤さん)

 とはいえ、現物の金を購入するのは、手を出しにくいという人もいるだろう。そんな人には、金の価格に連動するETFがお薦めだ。東京証券取引所に上場する「SPDRゴールド・シェア受益証券」などがある。

 インフレ時代の到来はすぐそこだ。将来を考えて、長い目で資産防衛を考えよう。投資は自己責任で。

週刊朝日 2015年2月6日号より抜粋