中国メディアの中国経営網は26日、日本の総合電機メーカーであるパナソニックが一部の家電生産を中国から日本国内へ移管することを計画していると伝える一方、中国から工場を移管するうえでは現地政府の同意が必要になると論じた。(イメージ写真提供:(C)  lacost/123RF.COM)

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 中国メディアの中国経営網は26日、日本の総合電機メーカーであるパナソニックが一部の家電生産を中国から日本国内へ移管することを計画していると伝える一方、中国から工場を移管するうえでは現地政府の同意が必要になると論じた。

 記事は、パナソニックの関係者から得た情報として、同社は現在、中国国内に約95もの工場を抱え、洗濯機や電子レンジ、家庭用エアコンなどを生産していると紹介。特に規模の大きい工場は、年間300万台の洗濯機を生産できる杭州の工場や、年間生産能力が350万-400万台に達する広州のエアコン生産工場だと紹介した。

 続けて、パナソニックは2007年から白物家電の生産基地を中国に移してきたと紹介する一方、中国から工場を移管するうえでは現地政府の同意が必要になると指摘し、その一例として「広州市人民政府国有資産監督管理委員会の傘下企業である万宝との合弁企業である松下空調器有限公司の合弁契約は2023年までとなっている」と伝えた。

 一方で、パナソニック側が「われわれは中国からすべての生産ラインを日本に移すつもりはない」と回答したことを伝え、パナソニック中国を重要な市場と捉えており、今後も中国での生産・販売を拡大する計画だと伝えた。

 さらに記事は、パナソニックの工場移管と中国の事業環境の変化は大きな関係があるとし、中国はすでに人口ボーナスを失い、2012年から生産年齢人口が減少していると紹介。生産年齢人口の減少は人件費の上昇を招くと指摘し、「実際にメーカーは人手不足と求人難にあえいでいる」と伝えた。

 そのほか、円安も日本企業の国内回帰を後押ししている大きな要因の1つだと指摘し、「中国で生産している製品は中国国内で販売されているだけでなく、日本へも輸出されているが、日本企業にとっては円安によって国外で生産するコスト的なメリットが失われ、利益も減少している」と指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)  lacost/123RF.COM)