また、規則正しい生活を心がけ、自律神経のバランスを整えること。朝起きてまず水を飲むと、腸の働きは活発になる。排便を習慣づけるため、便が出なくても毎朝トイレに行くことも大事だという。
 厄介な病気の発症源となる便秘治療を運動面からアドバイスする専門家、日本成人病予防協会の健康管理スペシャリスト相原兼人氏はこう言う。
 「日本人は腸がねじれている人が多いんです。その場合は、便が通りやすいように、お腹を押したり、ひねったりするマッサージが効果あります」

 そして、具体的な方法として次の点を挙げる。
(1)マッサージは、仰向けに寝た状態で左腹部と下腹部をそれぞれ両手で挟み、指で小刻みにお腹が少しへこむ程度、トントンと交互に押す。
(2)次に両足を肩幅くらいに広げて立ち、両手を広げて上体をひねる。これらをそれぞれ1分間ずつ行う。
(3)うつ伏せゴロゴロ法。うつぶせ姿勢を10分ほど取ってから、左右のゴロゴロ寝転がるだけ。腸内ガスが抜け、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す。
(4)肛門をすぼめる。息を吐き切ったところで、肛門を3回程度キュッと締める。通勤途中でもテレビを見ていても、意識さえすればできる。肛門括約筋と骨盤底筋群を鍛えると、便失禁など便秘が引き起こす別の症状を緩和させる。

 さらに、別の専門家によれば「手足を冷水につける」といった方法もあるという。交感神経と副交感神経の活動のバランスが整えられ、腸の動きを活発化させる効果がある。
 「寝る前や起床直後に冷たい水道水などで手を洗ったり、足にジャバジャバかける。冷たくすると交感神経と副交感神経のバランスが変化し、消化管運動に変化が生じて排便のきっかけになることがあります」

 また、この専門家は便秘の原因についてこんな指摘をする。
 「成人女性が1日に必要なカロリーは1500〜2000カロリーといわれていますが、それより極端に少ない人が増えています。(ダイエット願望のため)一定の食事量がなければ便意をもよおさず、これでは便秘になるのは当然です」

 「便秘は日本の将来を左右する」という医療関係者もいるほどで、もう一つ、こんな奥深い説があることをお伝えしよう。
 「人間の心は、脳ではなく腸にある。うつ病やアルツハイマーなどの心の病気を改善するには、脳を診るより、腸を整える方が大切だ」
 つまり、腸の具合さえ見れば、心の病気はもちろん、アトピーでも花粉症でも、既存の西洋医学では手におえないさまざまな病気を治せる可能性があるというのだ。「たかが便秘!」と軽く見ず、腸がもたらす働きには奥が深いことを知る必要がある。