静岡の渡邉英児は90年10月、本栖研修所を卒業する時、勝率が4.00しかなかった。同期最下位。将来を危ぶむ声も多かったが、本栖を出た彼は浜名湖ボート場の近くに家を借り、連日、猛練習を始めた。

 渡邉は東海一高の自転車部出身である。ケガを負ったのを機にバンクの夢を水上に置き換え、この世界に飛び込んできた。ボート界入りを熱心に勧めたのは、東海一高自転車部の先輩・野長瀬正孝。野長瀬は猛練習につきあい、スタートのしかた、プロペラ調整などを一から叩き込んだ。

 成果は表れ、やがて渡邉は全国ですばらしいレースを見せるようになる。特に差しは「伝家の宝刀」と呼ばれるほど鋭くなった。デビューから24年以上の歳月が流れて、渡邉の今期勝率は6.76。もはや4.00の頃の面影はない。

 この渡邉が1月31日【土】〜2月5日【木】の「平和島一般戦」を走る。平和島は第1マーク右手に運河があり、満潮になると東京湾から海水が入り込む。海水は右手から左方向に流れていく。旋回が膨れやすく差しが決まりやすい水面である。

 渡邉は3年間に平和島を26走して1着7本、2着7本、3着10本。3連対率92.3%を記録してきた。得意の差しを決めて今度も高配当を連打するだろう。

 なお、渡邉の次走は2月10日〜15日の「東海地区選手権」となっている。

◆ボートレース評論家・水上 周

◆アサヒ芸能1/27発売(2/5号)より