1月13日、医療保険制度改革の骨子が決定した。

 赤字に悩む国民健康保険の財政問題、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年問題などに対応するために、今後、数年かけて行う具体的な対策が提示された。

 そのひとつが、紹介状なしで大病院を受診した場合の医療費の見直しだ。2016年以降、診療所や中小病院の医師の紹介状を持たずに、大病院を受診した人には特別料金の加算が義務化されることになったのだ。

フリーアクセスがもたらした
病院勤務医の36時間労働

 日本の医療制度の特徴としてあげられるのが、フリーアクセスだ。

 日本では「いつでも、どこでも、だれでも」の標語の通り、健康保険証1枚あれば、病気やケガをしたときに日本全国どこの医療機関でも、全国一律の価格で受診できる。このような医療体制を敷いている国は、世界中、どこを探してもないだろう。

 医療を受ける患者にとって、このフリーアクセスは自由度が高く、便利なシステムといえる。だが、限られた医療資源を効率よく利用する観点から見ると、本来、大病院はそこでしか受けられない難易度の高い治療が必要な患者が利用すべき施設といえるだろう。

 しかし、日本にはイギリスのように、家庭医(GP)を通さないと専門病院にかかれないといった縛りはない。そのフリーアクセスが「いつでも好きな医療機関を利用してもいい」と拡大解釈され、重症軽症にかかわらず、個人の判断で大病院にかかれる状況を作り出している。

 それが、患者本人に悪気はなくても、病院で働く勤務医に過酷な労働を強いる原因になっていることは否めない。

 病院勤務医の労働環境は苛酷だ。夜中の患者の急変や交通事故の救命救急に対応するための当直は、月に5〜6回は当たり前。24時間どころか、36時間勤務で、翌日も十分な休養をとらないまま、外来患者の診療に当たるといったことが日常茶飯事となっている。

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