写真提供:マイナビニュース

写真拡大

大学生が会社に入って、すぐに気付くことがあります。それが

「大人ってみんな陰口、大好きやな」

ということです。心が清廉な大学生は、未知の恐ろしさにプルプルと子犬の如く震えるでしょう。何が怖いって、翌日には何事もなかったかのように、みんな仲良くお仕事するからです。

○同僚は選べないために生じやすい陰口

大学の友人関係はある程度は取捨できるため半自動的に周囲は気の置けない仲間たちで固まりますが、会社では本人たちの意思とは関係なく集まった人たちが、毎日顔を合わせて一日の大半を過ごします。

何気に、これはえげつないことです。当然、仲良しこよしの集団ではないため業務上で摩擦が生じますが、正面切って意見をぶつけ合うことは、なかなかどうして難しい。その結果、生み出されるのが、陰口です。

○陰口は危険ドラッグ! すぐに欲しくなる

陰口を言っているとき、人はめちゃめちゃ気持ちよくなります。危険ドラッグもびっくりの陶酔性です。抑圧されているものを解放する瞬間は、例外なく気持ちよいもの(具体例はマイナビニュースさんの手によって削除されました)。

しかし、その悦びは刹那的であり、すぐに渇きを覚えてしまいます。なぜなら翌日にはその陰口の対象と関わるからです。まるで冬の雪のように、むなしくフラストレーションは降り積もるわけです。

しかも陰口は、言っている本人の体(状況)を蝕んでいきます。理由はいろいろありますが、要約すると以下です。

(1)陰口を言うことでたいていの場合は評価が下がる (2)言われているほうが楽しくない可能性が高く、そして悪意は残る

(1)については、「聞き手が陰口を一緒に言いたいパターン」がありますが、腐ったコミュニケーションが好きな人は一生そうしていればいいです。例外なく、陰口を好む人は本人もどこかで言われます。

(2)については、陰口はおもしろおかしく話さなければ、相手は少なからず攻撃性のある言葉を受け止めるために体力や精神力を消耗するということです。結果、その人はどう思うか。「めんどくせェ」です。

「陰口」はいわば悪意です。悪意のにおいのする人を心底から信用できる人はいません。

○陰口をどうしても言いたいなら

ストレスは陰口で発散してもすぐに蓄積され、さらに自分の状況を悪くすることを、そろそろ学習しましょう。どうしても言いたいときは、全幅の信頼をおける人間、もしくはその陰口とはまったく関係のない人に限ってください。

必要なのは「ストレスの根源をそもそも減らすこと」です。ここで提案したいのが「感謝」と「褒め」になります。

○「感謝」されて嬉しくない人はいない

「感謝」する対象は、必ず本人です。

まれに「いつもアイツにはぶっきらぼうにしているけど、本当は感謝してんだ……」などと本人以外の人に謎のロマンチシズムを垂れる人がいますが、自分が気持ちよくなっているだけです。確実に「アイツ」はその人を嫌っています。感謝は本人に向けて行うからこそ奏功します。

些細なことでも何かをしてもらったとき、「ありがとう(ございます)」と言うだけで結構です。口癖くらいのつもりで言ってください。

感謝とは相手の存在や行動を肯定する行為ですから、よほど人間性がねじれている人以外、感謝されて嬉しくない人はいません。「人を嬉しくさせられる」ことは、人柄の評価に直結します。

○本人がいないところでの「褒め」は本人まで届く

「褒め」は、基本的には本人以外の、周囲の人に対して行うべきです。

というのは、褒めるという行為は「相手を嬉しくさせる行為」としてはあまりに直接的で、必ずしも素直に受け取られるとは限らないからです(直接的に持ち上げられることが好きな人もいますが)。

しかし、本人がいないところで褒めるだけで、信ぴょう性は飛躍的に向上します。何故なら「直接的に効果しないにも関わらず言っているから」です。

ここにミソがあり、直接的には効果しませんが、良い話は陰口などの本人が聞いたら気分を害するものと違ってストップがかからないため、高確率で本人まで届きます。そのとき本人は信ぴょう性の高い高評価を「嬉しく感じる」と同時に、発信者に対して好意を抱きます(変な意味じゃなく)。

○多少の遠回りで人間関係は快適にできる

陰口を言いたくなるように人にこそ、「感謝」と「褒め」を活用してください。多少遠回りですが、徹底すれば必ず状況は良くなります。

こすずるい方法に見えるかもしれませんが、何より大事なのは自分が会社で快適に仕事をすること。そのために必要なのは快適な人間関係です。

誰も不幸にならず、むしろ喜ぶわけなので、やらない手はありません。ビバ! 快適会社生活。

※画像は本文とは関係ありません

武野光平成2年生まれ。「TOEIC未受験」「サークル未所属」「友達の数が片手未満」といった状況から就職活動に挑み、その体験から得た教訓をつづったブログ『無能の就活。』が大きな反響に。現在はサラリーマンと兼業で作家活動を行う。著書に『凡人内定戦略』『凡人面接戦略』(中経出版)、『就活あるある 〜内定する人しない人〜』(主婦と生活社)など。マイナビ2016でも、マンガ『キミ! さいよー』(石原まこちん/小学館)内で、一言コラム平成ベビーの就活用語辞典掲載

(武野光)