朝鮮日報が山口組を持ち上げる動機は不明

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 日頃は反日一辺倒の記事で有名な朝鮮日報だが、1月26日、あまりに奇妙な記事がオンラインサイト『Chosun Online』に掲載され、話題を呼んでいる。ちなみに、朝鮮日報は韓国最大の発行部数を誇る新聞である。

 噂の記事のタイトルは『創設100年の指定暴力団・山口組、組織支えるスゴ腕経営』。その内容は、指定暴力団である山口組を礼賛するもので、とても新聞社の記事とは思えぬ論調だ。その一部を紹介しよう。

山口組は日本で8位の“大企業”!?

 記事はまず、昨今の山口組の収入事情に触れ、米国経済誌フォーチュン誌の記事を参考に次のように述べる。

「昨年の組織の収入は800億ドル(現在のレートで約9兆4000億円)に達する。山口組が企業だとすると、日立の売上高(昨年959億ドル=11兆3000億円)に次ぎ日本8位に該当する」

 こう持ち上げた後、なぜ山口組が「稼げる組織」になったのか、その歴史的背景を説明していく。簡単にいえば、他の組織が麻薬や売春などの非合法ビジネス一辺倒だったのに比し、山口組は1950年代末から合法的な芸能ビジネスに進出し、合法・非合法をひっくるめた多角経営に成功した点を取り上げ、三代目田岡一雄組長の業績を称えるかのような解説をつける。

 さらにバブル期には不動産や株、美術品投資に目を向け、大きな利益を手にし、バブル崩壊後はいち早く不良債権整理事業に参入。利益を拡大させた、と、その先見の明を称える。

「危機をチャンスに変える能力にも優れていた」

 朝鮮日報の山口組礼賛はとどまるところを知らない。さらに、次のような枕詞をつけて、組織の慧眼ぶりを称揚する。

「危機をチャンスに変える能力にも優れていた」

 どういうことかといえば、暴力団業界最大の危機といわれる92年の暴力団対策法施行のとき、取り締まり強化で他の暴力団が衰退していくなか、それを逆手にとって、山口組はそうした弱体化した組織をどんどん吸収。「勢力を伸ばすことに成功した」と書く。

 ここまで読んだ人は、朝鮮日報の礼賛ぶりの意図をいぶかしく思うはずだ。「いったい何のために」と。その謎は最後まで明かされることはない。

「社会貢献も山口組の手掛けている分野の一つだ。山口組は昨年、麻薬追放運動を奨励し、社会貢献活動を伝えるウェブサイトを開設した。恵まれない人々を支援したり、祭日に地元の住民に餅を配ったり、街を清掃したりする活動を積極的に行っているという」

 締めくくりは、山口組が自ら喧伝する社会貢献を取り上げ、そこに何の論評もない。もし、この記事を小学生が読んだら、山口組は素晴らしい組織だと勘違いするだろう。

 日本の大手新聞社の社会部記者はいう。

「まったく謎に満ちた記事ですね。韓国のメディアはたまに暴力団と見紛う、根拠不明の反日恫喝記事を載せたりしますが、ギャング集団をここまで礼賛する記事を載せるとは、迷走しているといわれても仕方ありませんよ」

 韓国メディアに倫理観はないのだろうか?

(取材・文/小林靖樹)