ラフプレーの多かったヨルダンに対し、長谷部はフェアプレーで応じ格の違いを見せつけた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 大会連覇を懸けてアジアカップに臨んだ日本代表は、グループリーグを3戦全勝で通過したものの、準々決勝でPK戦の末にUAEに敗れ、大会から姿を消した。内容では、依然アジアでトップクラスの実力を持つことを証明しながら、勝ち切れなかった今大会の日本代表の戦いぶりを、『サッカーダイジェスト』特派記者はどう見たのか。4試合を通じての選手のパフォーマンス、監督の采配を評価する。

【ゲームphotoギャラリー】日本 1(4PK5)1 UAE

GK
1 川島永嗣
今大会成績:4試合・1失点
 
 パレスチナ戦では、60分に失点につながりそうなパンチングミス。4試合を通じてキックも不正確で、安定していたとは言い難い。UAE戦のPK戦は相手のキックを褒めるべきだが、守護神として存在感をほとんど示せなかった。
 
DF
21 酒井高徳
今大会成績/4試合・0得点
 
 最初から最後までバタついていた印象だ。守備の局面ではしばしばあり得ないミスでピンチを招き、オーバーラップからのクロスもほとんどが精度を欠いた。右膝痛で負傷離脱した内田の存在の大きさを改めて認識させる皮肉な結果に。
 
DF
22 吉田麻也
今大会成績/4試合・1得点
 
 グループリーグではヘッドで得点してもさして喜ばず、「ひとつのミスが命取りになる」と気合いを入れたものの、UAE戦では二度も綺麗に裏を取られて7分にあっけなく失点。油断では済まされない失態を猛省すべきだ。
 
DF
6 森重真人
今大会成績/4試合・0得点
 
 ヨルダン戦で口を負傷した影響からか、UAE戦では動きが鈍く、いとも容易くカウンターを許した。攻撃面では正確なフィードでアクセントを付けるなど効いていただけに、肝心の守備面で仕事をまっとうできなかったのは残念。
 
DF
5 長友佑都
今大会成績:4試合・0得点
 
 左サイドを激しく上下動し、攻守両面で1対1はほぼ負け知らず。パレスチナ戦で2ゴールに絡み、イラク戦では本田めがけて完璧なクロスとまずまず良い仕事をした。UAE戦の負傷は体調管理不足というより不運だった。
 
MF
17 長谷部誠
今大会成績:4試合・0得点
 
「集中していなかった」UAE戦の開始10分以外はアンカーとして無難に振る舞った。印象深かったのは、ヨルダン戦だ。反則覚悟で潰しに来た相手の挑発に乗らず、フェアプレーで対抗。守りのお手本をピッチで示した。チームMVPの働き。
 
MF
7 遠藤保仁
今大会成績:4試合・1得点
 
 チームに勢いと落ち着きをもたらしたパレスチナ戦の先制ミドルは、ベテランの貫録。行くところはきっちり行くディフェンスもグループリーグに限っては素晴らしかった。ただ、UAE戦では珍しく乱調で足を引っ張った。
 
MF
10 香川真司
今大会成績:4試合・1得点・2アシスト
 
 トップ下付近で輝いたイラク戦の30分弱、ヨルダン戦で追加点を奪った場面を除けば褒められない内容。UAE戦では、再三の好機とPKを外して悲劇の主人公に。守備も求められるインサイドハーフは向いてない。攻撃に専念させるべきだった。
 
MF
15 今野泰幸
今大会成績:1試合・0得点
 
 アンカー・長谷部の負担を軽減したイラク戦はいぶし銀の活躍で、完封勝利に少なからず貢献した。惜しむらくは、終了間際で痛めた左足の怪我。しばらく治療に専念しなければならず、ヨルダン戦以降はチームの力になれなかった。
 
MF
20 柴崎 岳
今大会成績:2試合・1得点
 
 少し浮き足立っていたヨルダン戦とは打って変わり、続くUAE戦では地を這うミドルで同点弾。さらに延長後半の118分、本田に譲ってもらったFKで観衆のどよめきを誘うなど、及第点以上の働きを見せ、日本の“希望の光”と言える活躍ぶり。
 
FW
4 本田圭佑
今大会成績:4試合・3得点
 
 チーム最多の3ゴールを決めた反面、逸機も多かった。直接狙ったFKはなかなか枠を捉えず、UAE戦ではまさかのPK失敗と、キッカーとして失墜した印象も。かつての凄みがどこか感じられなかったのも懸念事項だろう。
 
FW
9 岡崎慎司
今大会成績:4試合・1得点
 
「ゴールにこだわりたい」と宣言しながらも、終わってみればパレスチナ戦での1得点のみ。最前線で身体を張りポストプレーもこなしたとはいえ、それだけで合格点は与えられないだろう。点取り屋として不十分な出来だった。
 
FW
18 乾 貴士
今大会成績:4試合・0得点
 
 ワンタッチパスは光ったものの、余計なドリブルとトラップで攻撃をスピードダウンさせた場面が目に付いた。シュート0本に終わったイラク戦が象徴するようにフィニッシュワークへの意識が薄く、ノーゴールに終わった。
 
FW
8 清武弘嗣
今大会成績:3試合・0得点
 
 インサイドハーフと左ウイングで起用されたが、大きなインパクトを残せなかった。UAE戦では出番がなく、“なにもできずに”PK戦での敗戦をベンチから見届けた。クラブでの好調を示せなかったのは無念のひと言だ。
 
FW
14 武藤嘉紀
今大会成績:4試合・0得点・1アシスト
 
 ヨルダン戦で香川のゴールをアシストした以外に見せ場なし。持ち前の積極性は影を潜め、結局は“大人しい優等生”のまま終わってしまった。サッカー人生の分岐点と位置付けた今回のアジアカップは「悔いの残る大会」に。
 
FW
11 豊田陽平
今大会成績:1試合・0得点
 
 UAE戦では決定機を数回外し、戦犯のひとりに。ただ、ゴール前で手を挙げてもクロスが上がらなかった点には弁解の余地もある。ヘッドに強いこの男を活かすための戦い方が徹底されていなかったところにむしろ疑問を感じる。
 
監督
ハビエル・アギーレ
 
 4-3-3にこだわり、守備が苦手な香川をインサイドハーフにほぼ縛り付けた罪は軽くない。それでも選手交代のタイミングは悪くなかった。ヨルダン戦では武藤が、UAE戦では柴崎がそれぞれ目に見える結果を出した。