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 円相場はいよいよ昨年10月末の日銀追加緩和、「異次元緩和第2弾」直後の水準まで円高に戻ってきた――。ドル/円で見ると違和感があるかもしれないが、ただ円の総合力を示す実効相場だとそんな説明になる。

 円の実効相場は先週後半に127ポイントまで上昇した<資料参照>。これは昨年11月初め以来の水準だ。昨年10月末の「異次元緩和第2弾」を受けて円は全面安になったが、総合力を示す実効相場は昨年12月初めで底打ちとなり、足元では「異次元2」直後の水準まで戻してきたのである。

※<資料>はコチラ⇒http://hbol.jp/?attachment_id=22654

「異次元2」を受けて、110円を大きく超えるドル高・円安が始まり、昨年12月初めには122円手前までドル高・円安になった。先週末のドル/円は117円台で、確かにピークに比べるとドル安・円高に戻したものの、それでも「異次元2」直後と比較するとなお大幅なドル高・円安に違いない。

 にもかかわらず、円の総合力はほとんど、「異次元緩和2」の円安が元に戻したようになってきたのは、ドル/円以外、いわゆるクロス円がユーロ/円を筆頭に大きく円高に戻したためだ。ドル高・円安傾向は続いているものの、円の総合力でみると、昨年10月末の「異次元緩和2」の円安は、ほぼ元に戻した、「全値戻し」の構図になってきたわけだ。

 では、ここからさらに円の実効相場は、「異次元緩和2」以前の円高水準に戻っていくのだろうか。ただそれは、2012年暮れからの、いわゆる「安倍円安」の基調転換も試す意味になりそうだ。

 「安倍円安」が始まってから、円の実効相場は90日移動平均線を大きく上回らない状況が続いてきた。足元の円実効相場は、まさにそんな90日線まで上昇してきた。「安倍円安」が不変なら、ここは円売りがワークする局面だ。

 そうではなくて、90日線を円実効相場が完全に上回っていくなら、それは2012年暮れから続いてきた円安、株高の「アベノミクス相場」自体の転換が始まっている可能性も出てくるだろう。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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