Q:体が特に弱いとは思いませんが、冬になるといつも風邪を引きます。また、気候が乾燥する冬は、口の中がよく乾くようで気になります。今年の冬は風邪にもインフルエンザにもかからず、元気に乗り越えたいと思います。対策法をアドバイスしてください。(29歳・税理士)

 A:重い病気にかかっているわけでもないし、高齢で老化が進んでいるのでもないのに風邪を引きやすいのには理由があります。
 大きな理由は口呼吸で、それが原因でウイルスに感染しやすくなります。
 風邪やインフルエンザのウイルスは、鼻と口から侵入します。本来、呼吸は鼻でするものです。鼻から入った空気は温められ、湿気も帯びますが、これはウイルスが定着しにくい環境です。
 加えて、鼻の中には繊毛があり、侵入しようとするウイルスや細菌を排除するように働きます。
 一方、口で呼吸すると口の中が乾燥するし、冷たい空気が気管に入ります。これはウイルスが生存するのに好都合な環境です。
 乾燥するということは、唾液が不足しているということです。唾液の中には抗ウイルス作用や抗菌作用がある物質が含まれます。だから、口呼吸は風邪やインフルエンザに感染しやすくなるのです。

●口テープと「あいうべ体操」
 口呼吸が癖になっていても、そのことに気がついていない場合が多いことが問題です。ご質問の方は、冬は口の中がよく乾くのが気になるそうですが、その原因として口で呼吸をする習慣が影響していると思われます。ですから、口呼吸を本来の鼻呼吸に戻せば風邪やインフルエンザにかかりにくくなります。
 口呼吸を直す方法は二つあります。
 一つは、口にテープを貼って寝る方法です。市販の医療用の10〜12ミリ幅の紙テープを5センチ程度に切り、口に縦方向に貼ります。ドラッグストアなどでは、寝るときに口に貼る専用のテープもあります。
 もう一つは「あいうべ体操」と私が名付けた、口と舌の運動です。「あー」「いー」「うー」と口を動かし、最後に「べー」と、舌を下方に大きく突き出します。
 これらの方法によって、口呼吸は直り、本来の鼻呼吸に戻ることができます。口呼吸の習慣はアトピー性皮膚炎をはじめ、さまざまな病気の発症の要因となっています。ぜひ口呼吸を直してください。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。フットケアにも精通している。