週刊ポストが老後のお金を徹底解説した増刊『丸ごと一冊 老後のお金すべて解決』を緊急出版した。その中から、何かとトラブルになりがちな「葬儀」のお金に関するエッセンスを紹介しよう。

 最近は「小さい葬儀」が主流になりつつある。家族や親族だけで通夜や葬儀を行なう「家族葬」や、通夜や葬儀を省き、納棺と出棺だけで荼毘に付す「直葬」……。都内ではすでに葬式の7割がそうした形式だ。

 葬儀にお金をかけられない懐事情もあるが、経験者からは「逆に一般葬より費用がかさんでしまった」という声が聞こえてくる。NPO法人・葬儀費用研究会の冨永達也・事務長が指摘する。

「会葬者が少ない『小さな葬儀』は、それだけ遺族が受け取る香典が少なくなります。一方、会葬者20〜30人の家族葬でも、祭壇や棺、火葬の費用、葬儀社による司会・進行費など固定費は、一般葬とほとんど変わらない。弔問客にふるまう通夜の料理や返礼品などの費用が抑えられるだけです。

 実は、一般葬では葬儀費用の大半が香典でまかなえるケースも少なくない。家族葬では香典が少ないのでかえって持ち出し費用が高額になるのです」

 葬儀業界も価格競争の時代で、「葬儀一式○○万円」といった定額料金を謳う葬儀社が急増している。だが、そこにも落とし穴がある。エンディングコンサルタントの佐々木悦子氏が語る。

「葬儀社によって『葬儀一式』に含まれる要素が異なります。棺、ドライアイス、司会・受付、遺影、納棺用具の費用で葬儀一式と謳っている葬儀社が多いが、それ以外に霊柩車、斎場使用料、火葬料、通夜料理、香典の返礼品などの費用がかかるのが一般的です。その部分を“一式”に含まず、割安感を与えて受注に結びつけようとしている業者があるのです」

※週刊ポスト2015年1月30日号