不可解な立ち上がり、長谷部「説明がつかない」

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[1.23 アジア杯準々決勝 日本1-1(PK4-5)UAE シドニー]

 立ち上がりが大事であることは分かっていたはずだった。MF長谷部誠(フランクフルト)は「一概に立ち上がりに集中していなかったかと言われると、そういうことも正直なくて、自分たちもしっかりチャンスはつくっていた」と、試合の入り自体は悪くなかったと話す一方、前半7分の失点場面については「確かに集中していなかった」と認めざるを得なかった。

 前半3分にも最終ラインの背後を取られた日本の守備陣は前半7分、ハーフウェーライン付近でボールを持った相手選手への寄せが甘く、ロングパスをフリーで出させた。これに反応したFWアリ・マブフートがDFラインの裏を突き、ワントラップから右足でサイドネットに突き刺す。あまりにも簡単に失点してしまった。

「1回目のピンチのところではボールの取られ方が非常に悪かったし、1失点目の場面はまったくDFラインが集中していなかった。ボールを出した選手に対するプレッシャーもまったくなかった。一つというよりはミスが重なった感じがある」

 立ち上がりに続いたピンチをそう振り返るキャプテンは失点シーンについて「ボールホルダーに(プレッシャーに)行けていなかったし、DFラインは寝ていたし、それはなかなか説明がつかない」と、思わず首をひねった。

「その(立ち上がりの)10分の中で自分たちも何回かチャンスをつくっていた。これまでの相手よりは多少、オフェンスのクオリティーが高かったと思う。ただ、あれくらいのレベルのクオリティーのチームに短い間にチャンスをつくられるというのは集中していないということだし、なかなか説明しがたい」

 試合前日には「ここでもう一度、気を引き締めないと。またフワッと入ると足元をすくわれるので、みんなでもう一度厳しくやっていく必要がある」と、グループリーグ3試合を無失点で切り抜けるなど無難に突破したことを踏まえ、チームを引き締める必要性も口にしていた。

 あらためて選手ミーティングなどは行わなかったというが、「決勝トーナメントに入ったら一発勝負だとみんな分かっていたし、監督も試合の入り方をしっかりと持っていってくれていたので、そこに関しては問題なかった」と話す。だからこそ、不可解な立ち上がりだだった。

「終わったばかりなのでなかなか整理は難しいけど、今日の試合に限っていえば120分であれだけチャンスをつくって1点しか取れていないというのは、自分たちの決定力不足であり、力不足だと思う」。立ち上がりの失点を挽回するチャンスはあった。ベスト8という早すぎる敗退は、チームを束ねたキャプテンにとっても悔やまれる結果だった。

(取材・文 西山紘平)