日本代表のキャプテンとして歴代最多出場となった長谷部。マッチアップが濃厚なUAEのキーマン、O・アブドゥラフマンについて「チームとして連動した守備ができれば十分抑えられると思う」と自信を覗かせる。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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「グループリーグで戦った3か国よりもUAEは強い。前線には良い選手がいて、若い年代から同じメンバーでやっている。チームとして完成度は高いと思います」
 
 そう言いながらも、長谷部は余裕の表情を崩さなかった。日本代表のキャプテンとして歴代最多出場となったヨルダン戦で、2-0になった82分以降は可能なかぎり体力を温存できたからだろう。中2日で臨む準々決勝を前に「すごく疲れている感覚はない」。
 
 グループリーグでは、日本が苦手と思われた中東3か国をあっさり撃破。決定機を外す回数は多かったとはいえ、失点がゼロと内容では明らかに圧倒していた。長谷部自身のパフォーマンスも非常に安定しており、そうした充実感が疲労を上回っているのかもしれない。確かな自信は、強気なコメントにも表われている。
 
「あくまで個人の感覚ですけど、(ヨルダンも)日本のサッカーにちょっと参っていたかなと。ちょっと敵わないではないですが、最後はそんな感じでプレーしてきました」
 
 今大会の日本には、アジア王者としての風格が確かにある。同じ優勝候補の韓国やオーストラリアよりも個々の技術は高く、ぶっちぎりの優勝もあるのではないかと、そんな期待がここにきて膨らんでいる。長谷部の余裕のスタンスは、言い換えれば“王者の威厳”だ。
 
 そんな長谷部がUAE戦でポジション的にマッチアップするのは、アフロヘアと柔軟なテクニックが目立つオマール・アブドゥラフマン。この技巧派MFを抑えられるかどうかが試合の行方を左右しそうだが、当然ながら本人に気負いはない。
 
「チームとして連動した守備ができれば十分抑えられると思う。いわば王様みたいな存在なので、皆が彼を見ているから的は絞りやすいです」
 
 UAEなど眼中にない──。言葉は悪いが、そのくらい今の長谷部には余裕があるように見えるのだ。ただ、慢心はない。
 
「死闘を繰り広げてグループリーグを突破したわけではない。どちらかと言うと余裕を持って(決勝トーナメントに)出ているので、ここでもう一度引き締める必要がある。フワッと入ってしまうと足をすくわれるので、チームとして厳しくやっていく必要がある」
 
 UAEとの準々決勝、その急先鋒となるのが威厳の鎧をまとった長谷部である。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト)