一部メディアは追加点を決めた香川にも言及。沈黙から目覚めたことで「警戒すべき存在」としている。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 ヨルダンは日本にとって“因縁の相手”でもあり、試合前には「日本のグループリーグ脱落が現実になる可能性は?」(サッカー専門メディア『SPORTAL KOREA』)との記事もあったが、2-0という結果を受け「星取り占いは不要だった。日本、優勝候補であることを証明」(総合ニュースメディアの『OSEN』)とし、次のように報じている。
 「安定した試合運びを見せた日本。定規で測ったようなパス、アタッカーたちのボディコンタクトなど、優勝候補として備えるべき資格を示した」
 
【アジアカップPhoto】日本 2-0 ヨルダン
 
 大半のメディアがヨルダン戦のヒーローに推したのは、イラク戦に続き、またしても本田圭佑で、「(今大会)3ゴールの本田、今回は避けた“ポストの不運”」(『スポーツ韓国』)、「本田、やはりサムライのエース」(『OSEN』)との見出しを打った。
 
 サッカー専門メディアの『FOOTBALLIST』は「日本はストライカーの不在が大きな弱点に挙げられる。岡崎慎司は最前線で良い動きを見せているが、典型的なワントップではない。香川真司は以前と比べて得点力が明らかに低下し、乾 貴士、清武弘嗣なども未完成なアタッカーだ。そんななかで、3連続ゴールを決めている本田の存在感は際立ち、日本の悩みを解決する活躍ぶりを見せている。簡潔なパスと力強いドリブル、安定的なキープ力で攻撃の中核的な役割をしている」と絶賛した。
 
 一方で、香川にスポットを当てた記事もあった。試合中の特定シーンを抜粋した「最高の1分」と題したコラムを掲載する『JOYNEWS24』は、今大会初ゴールを決めた場面に触れながら「眠っていた香川が目覚めた」と題し、こう綴っている。
 
 「日本は本田が爆発すれば香川が沈黙し、香川が感覚を取り戻せば本田が沈黙する不均衡が続いていた。特に中盤をオーガナイズする遠藤が抜けると、ふたりの動線が重なる場合も多かった。しかし、香川がついにゴールネットを揺らし沈黙から目覚めたことは、優勝を狙う日本にとっては好材料だろう。韓国が決勝トーナメントを勝ち上がれば、決勝で日本と戦う可能性は高い。やはり警戒対象だ」
 
 チームとして日本を警戒する記事もある。総合ニュースメディアの『MKスポーツ』は、「恐ろしい日本、起伏なく強い」と題した記事のなかで、韓国やオーストラリアと比べ「選手の管理が上手くいっている」と主力に負傷者がいないことを挙げつつ、ボールキープ率やパス成功率の高さにも着目。「チャンスの数に比べてゴールが少ないが、運がなかっただけ」とし、「日本を相手とするGKはシュートを防いでも気が気でない」とした後で、こう締め括っている。
 
 「日本はやはり強かった。なにより起伏がない。攻撃は多彩で守備はしっかりしている。弱点がなかなか明らかにされない。イラクとヨルダンがアジアカップ前から不振だったとしても、日本の強さを否定することは難しい」
 
 決勝トーナメント進出国が決まったことで、日本を意識した記事も増えている。『OSEN』は「韓国、優勝への道にイラン、日本、オーストラリア」と題し、日本とオーストラリアのいずれかが決勝に駒を進めると予想し、韓国が決勝まで進めればそのどちらかと対戦するだろうとしている。
 
 「韓国はグループリーグでオーストラリアを下したが再び勝てる保証はなく、韓日戦は常にビッグマッチだ。ブライドを懸けた戦いで太極戦士たちは必ず勝たなければならない」
 
 アジアカップを伝える韓国メディアの論調も、これからますます熱を帯びてきそうな気配だ。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)