しっかり組織を編んだ日本は、ヨルダンのカウンターをほぼ完封。隙のない試合運びを、取材していた英国人記者は「日本の工場のようだ」と表現した。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 3戦全勝無失点。日本代表が安定した戦いでグループDを首位通過した。
 
 負ければ敗退の危機も迎えるヨルダン戦、日本はイラク戦がそうだったように隙のない試合運びを見せた。
 
 相手の前線(2トップ+トップ下)が長谷部、酒井、長友をケアしたため、日本は森重、吉田のCBコンビがボールを持つ場面が多くなった。ふたりがパスの選択肢に選んだのは外、特に左サイドの乾だった。
 
 最後尾から左斜めにロングボールが出る。これはいい傾向だった。中央に当てると引っかけられて逆襲を受ける危険がある。サイドでしっかり起点を作り、そこから攻撃を組み立てたことで日本は怖いヨルダンの速攻を受けずに済んだ。
 
 もちろんサッカーだから、敵にパスカットされることもある。だが、日本はしっかりと組織を編んでプレーしていたため、ひとり目、ふたり目がしっかりとカバーに入る。ピンチらしいピンチは、ほとんどなかった。
 
 試合後、英国人の記者と会話していて、日本のミスの少なさが話題になった。
「それは技術の高い面々が、強い責任感で仕事をしているからじゃないですか」と話したら、彼は「まるで日本の工場みたいだ」と言って笑った。
 
 たしかに、イラク戦とヨルダン戦で日本の工場はしっかりと稼働した。不良品がひとつも出ず、ふたつのいいゴールが生まれた。ゴールに見放されていた香川にも、待望の得点が生まれた。
 
 ヨルダンは決して弱いチームではない。彼らは日本のリズムを壊そうとして、ときに荒々しいプレーも繰り出してきた。だが日本は自制心を失うことなく、最後まで落ち着いてパスをつなぎ続けた。このあたりがチャンピオンの風格だろう。
 
 3試合無失点の守護神・川島は、「前回王者になったことで自信は持っているけど、それは4年前のこと。謙虚さを失わず、目の前の試合に集中しないといけない」と話していた。
 
 謙虚なチャンピオンであることが、いまの落ち着いた試合運びにつながっているのかもしれない。
 
取材・文:熊崎敬
 
【マッチレポート|日本 2-0 ヨルダン】