2試合連続の先制ゴールを決めた本田は、そのシーンを「良い形で反応できた」と振り返る。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 開始直後から反則覚悟のタックルで日本を潰しにかかったヨルダンに、24分、地味ながらも大きな一撃を打ち込んだのが本田だった。
 
 乾の縦パスに反応した岡崎がエリアの左側からシュート。GKが弾いたボールを、右サイドで待ち構えていた背番号4が沈めたのだ。
 
「あのシーンに限っては、非常に良い形で反応できた」と言う本田はしかし、「もっと反応しなくてはいけない場面が他にもあった。何気なく反応していればチャンスになっていたシーンがね。いくつか心に残っているので、ビッグチャンスを増やしていけるよう良い動き出しを続けていきたい」と、勝利と余韻に浸ることなく課題を口にした。
 
 3試合続けてネットを揺らした半面、外した決定機は少なくない。ヨルダン戦でもアディショナルタイムの90+1分に良い形で抜け出しながら、渾身のシュートはゴール左のポストと口づけを交わしている。決めるべきところで決められない自分に納得がいかないからこそ、収穫よりも課題が溢れ出てくる。
 
 負ければ終わりの決勝トーナメント(準々決勝の対戦相手はUAE)。ここからさらに厳しいマークに遭うだろう本田は、頂点まで駆け上がるうえで仲間のサポートも重要だと言った。
 
「個人的にはもういくつか(攻撃の)オプションを持つべきだと思っています。ただ、それはチームで共有しないと、ピッチでは効果的にはならない。ミランが良い例ですけど、全員で同じ絵を見ていかないと、なかなか良いプレーはできない。個人には限界があるので」
 
 ミランでの例を挙げながら、今後を見据えてさらに言葉を紡ぐ。
 
「ここからはノックアウトの戦い。厳しい緊張感のなか、試合中になにが起こるかも分からない。仮に先制されれば、2点を取らないといけない。それをどうやって取るか、同じ攻撃をさせてもらえないならどういう形を出していくのか。オプションは正直、持っておきたい。今のチームの経験値なら、僕だけじゃないと思います。そういうオプションを持っている選手はね。だから割と試合中の会話でそういった解決策を見出すことが、アジアではできるような気がします」
 
 個よりもチーム──。屈辱にまみれたブラジル・ワールドカップを経て、本田の内面は確かに変わりつつある。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)