映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の宇宙船はどのようにつくられたか

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2014年8月に全米公開され、興行収入は全世界で6億ドルを超えた映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。このマーベルの映画の、あらゆる宇宙船を製作したスタジオ責任者たちがインタヴューに応えてくれた。

宇宙船は、すべて同じではない。つくりこまれたSF映画では、無法者たちの宇宙船は善玉のヒーローたちの宇宙船とは異なるし、各シーンに登場する宇宙船も、それぞれ同一ではない。

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このことをわたしたちに教えてくれたのは、『スターウォーズ』だった。この映画に出てくるすべての乗り物のデザインは、とても独特だ。特にアニメーションではすべてがデザインされているし、研究もされている。そしていま、特殊効果の世界が、これを我が物とした。

今年は、Viewfest(2014年10月17〜19日に開催されたムーヴィー・フェスティヴァル)にカイル・マクローチとジョー・プレーテが出席した。それぞれ映像制作を手がけるFramestore社、MPC社に所属し、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の宇宙船のために仕事をした2人だ。

──宇宙船をCG製作するとき、なにか「原則」のようなものはありますか?

カイル・マクローチ(KMC):まず言っておかなければならないのは、宇宙船をデザインするのはマーベルの美術部門の仕事だということ。わたしたちはそのアートワークをもとに製作をしました。つまり、わたしたちは宇宙船をゼロから創作したのではなく、映画のなかで存在できるものにした、ということです。

ジョー・パレーテ(JP):クライアントからデザインを受け取って、デジタルモデルを製作します。デジタルモデルを検討するときには、どう飛行できるか、飛行するときにどのような挙動をするのか、視覚的な言語を理解しなければなりません。つまり、およそどの船も、異なる挙動をして、異なる飛行の仕方をするはずだ、ということです。

──宇宙船の「挙動」は、どれくらい大事なのですか?

JP:非常に重要です。特に、宇宙船がたくさん飛び交うシーンでは。例えば、最後の戦闘でたくさん出てくる「ネクロクラフト」の場合は、集団の観点から考える必要があります。個々の宇宙船がどのように動くかは重要ではなく、隊列がすべて一緒に飛び立つことが大事なのです。

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──製作した宇宙船に、おふたりはどんな特徴を与えたのですか?

KMC:「『スペース・ポッド』は“バラック小屋”であるべきだ」とわたしたちは考えていました。本当に動くかどうかまったくわからない、半分壊れている、信頼できない…そういった印象を与えようと思ったのです。その印象が、ストーリーが進んでいくとき、登場人物の意志がいかに決定されるかを説明してくれます。観ている人が先行きを予想できたとしても、よりエキサイティングなものにしてくれます。

JP:「ネクロクラフト」には、エイリアンのような雰囲気をもたせようと思っていました。人間の操縦する船は戦闘機のように飛ぶのに対して、ネクロクラフトの動きをつくり出すために、ぼくらはスローモーションでハエの動画を観ました。ハエたちは決してまっすぐには飛びませんがその様子を取り入れることで、ネクロクラフトの飛び方に奇妙な印象をもたせることができました。演出のために自然に目を向けたのは、面白い試みだったと思います。

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──劇中のスペース・ポッドを見ていると、まるで本物のような印象を受けました。実際に製作したのですか?

KMC:はい。でも、映画には登場したわけではありません。参考にするために、つくったんです。大きさは全長2〜3mで、ドアも可動式。3Dプリンターでつくってもらいました。他にもいろんなモデルを3Dプリンターでつくりましたね。宇宙船の各パーツが物理的に成り立つか、本物らしく見えるかを知るためです。もっとも、幸運なことにこの映画はマーベルのものですから、そこまでリアルである必要はなかったのですが。

──実際に、実物大スケールのモデルがあることが役に立ったことはありますか?

KMC:例えば、いざ完成させてみると、登場するキャラクター、ロケット・ラクーンの手が、ボタンやレバーに届かないことに気付きました。要するに、運転できなかったのです。結局は、寸法などの変更はしませんでした。ロケット・ラクーンはヒーロー的な登場人物なので、それでもなんとか運転できるはずだ、というのも面白いかと思ったのです。

──いままでにCGでつくった最高の宇宙船を挙げるなら。

KMC:わたしにとっては、『インターステラー』の宇宙船です。それから『ゼロ・グラビティ』の宇宙船です。あれは完璧です。

JP:わたしの場合、わたしたちがつくった「スターブラスター」です。とにかくデザインする上で自由度も高くて、興味深い形につくりあげることができましたから。

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