歌舞伎の大御所がアダルトビデオで大恥

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 仕事の悩みに恋の悩み、たくさんの悩みを抱えながら生きる私たちですが、家族や友達のちょっとした一言で、気持ちが楽になることがあります。
 そんな、重くなった心を軽くする言葉をくれるのが、歌舞伎役者・市川左團次さんの著書『夢を見ない、悩まない 市川左團次』(サイゾー/刊)です。
 年齢も性別も様々な方々から寄せられた悩み事に、左團次さんがひとつひとつアドバイスしていく本書は、同氏のほんわかとした語り口もあって独特の不思議な味わいがあります。
 今回はそんな左團次さんにお話をうかがい、「悩みがない」というご自身の人生観や生き方について、話題の趣味の話などに脱線しながらも語っていただきました。注目の後編です。

――歌舞伎役者の方には「遊び上手」というイメージがあって、同じ男性として憧れるところがあります。「かっこいい遊び方」「粋な遊び方」について教えていただけませんか?

左團次:粋でも遊び上手でもないと思いますけどね(笑) 昔は歌舞伎俳優もそうですけど、お客さんの中にも遊ぶ場所が花柳界しかないという方が多かったんですよ。だから、そういうお客さんに呼ばれると必ず芸者遊びをするようなお店に行くわけです。そうするとだんだん顔馴染みになって、芸者さんがこちらの舞台を観に来てくれるようになったり、そのお返しにまたお店に行ったりということで、花柳界と歌舞伎の世界は密接な関係があったんです。「粋」とか「遊び上手」っていうのは当時のイメージが残っているんでしょうけども、どれが粋な遊び方かというと全然わからないですね……。

――上の世代でかっこいいと思った役者さんはいましたか?

左團次:紳士然としていたのは、今の尾上菊五郎さんのお父さんの七代目 尾上梅幸のおじさんとか、うちの親父ですかね。
おじさんには「おまえ、どこで人が見ているかわからないよ、Tシャツ一枚で出歩いていたら“あの役者は街の小僧っ子と一緒だよ”と言われるよ」と言われていました。
お客さんや先輩に急に呼ばれてご飯に誘われたりすることもあるんだから、そんな時でも困らないようにどこに行くにも必ずジャケットを羽織りなさいよ、ということですね。身だしなみについてはよく言われていました。

――顔が知られてしまっていますし、変な格好はできませんからね……。

左團次:実際はそんなに知られていませんよ。外を歩いていると「どこの道端の石ころだ」ってなものです。ただ、以前住んでいた浅草でビデオ屋さんのアダルトビデオコーナーに入った時にはこんなことがありました。気に入った作品をレジに持っていったんですけど、対応してくれた店員が「今月は浅草にご出演ですか?」なんて言うわけです。顔を知ってるならアダルトビデオコーナーに入る前に声をかけて欲しいですよね。一度目の前を通ってるわけですから。そうすればもっとちゃんとした映画を借りたのに……。

――それは恥ずかしい……。左團次さんのSM好きはバラエティ番組で取り上げられて話題になっていましたが、昔からお好きなんですか?

左團次:そうですね。最初は普通にアダルトビデオを借りていたんですけど、どれも結局やることは一緒ですから飽きてしまったんです。そんな時にSMというコーナーを見つけて、試しに借りてみたらこれが面白くて・・・。

――そういうお店に行かれたこともあるんですか?

左團次:公演で京都に行った時に、お囃子さん(歌舞伎の舞台で鼓を打つ役割の人)から、祇園にSMスナックがあって、そこの女王様が僕のファンだということを聞いたものですから、じゃあということで、一人で行ったんです。そこで頼まれたのでお店の壁にサインをしたんですけど、後日また行ってSMショーを見たら、専用の器具に女性が縛られて吊るし上げられている。その時は隠れているんですけど、ショーが終わって女の子を下す時に、大きく「市川左團次」というサインが現れるという。それは本当に参りましたね。

――世間体をあまり気になされないというお話を聞いたことがあります。

左團次:あまり考えません(笑) さっきのアダルトビデオのお話にしても、本当は「俺のお金で俺の好きなものを借りて何が悪いんだ」という考えです。

――左團次さんといえば、以前出演されたバラエティで「キティちゃん」のパンツを披露されていましたが、今日のパンツは……。

左團次:今日はミッキーですね。このあいだ、誕生日(11月12日)に歌舞伎座にいたら、いろんな人がプレゼントをくださったんですが、みんなパンツでしたね。しまう場所がないって家で怒られてしまいました。

――最後になりますが、悩みがあるせいで元気が出ない方々にメッセージをお願いできればと思います。

左團次:これはどう言ったものかすごく難しいのですが、悩むことで先に進めるのであれば、悩んでもいいと思います。でも、悩みに負けてしまうようだったら悩んでもしょうがないというか、気楽に生きていった方がいいと思います。
悩まないほうがいいよっていうのもおかしな話ですけど、僕もいろいろありつつ気楽に生きてきて、案外どうにかなってきていますからね。
(新刊JP編集部)