イラク戦では無得点に終わった岡崎。「ゴールで自分の価値を証明したい」とヨルダン戦へ気合を見せる。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 とにかく気が利いて、機動力もある岡崎慎司を4-3-3システムのウイングで使ったほうが活きるのか──。
 
 仮にそれを本人に訊いたとしたら、返ってくる答えはおそらく「ノー」だろう。ザックジャパンではサイドが定位置だった彼も、アギーレ体制発足後は1トップへのこだわりをかなり強く持っているからだ。
 
 ドイツのマインツでゴールを量産して深めた自信は、強気なコメントからも窺える。
「ヨルダンが厳しいマークで自分を潰しに来るなら、それでフリーになる選手を使えば良い。『コイツをフリーにすると危ないな』という意識を相手に持たせたら、それは自分の評価につながる。90分通して“危険”と思われるプレーを意識してやりたい」
 
 ただ、たとえタイトにマークされたとしても潰れ役で終わるつもりはない。「1トップとして試合に出続けるためには結果も重要。ゴールを奪うことで自分の価値を証明する必要もあります」。だから、ヨルダン戦では“ある意識”を強く持って臨みたいという。
 
「ボールを収めてタメを作ったり、受けてすぐに叩いたり、そういうプレーはできるけど、最終的に怖いと思わせるためには自らターンしてシュートに持ち込まないと。強引にでも打つ場面が何回かあってもいい」
 
 岡崎にとって、シュートは言わば活力源。良い感覚を掴むには「ゴールを決めるというより、シュートが大事。今日は打てているみたいなものが指標になる」。
 
 もっとも、強引にシュートを打つシーンはマインツでは見受けられる。それなのに、なぜ代表ではそういうチャレンジが少ないのか。
 
「代表では、味方が近くにいるからパスしてしまう。気を遣っているとかじゃなくて、単純に心理的な問題です。(翻って)マインツでは(周りにそこまで味方がいないから)ひとりで行かないといけない。“やらなきゃいけない”からやるという感じです。それを、これからは代表の試合でも意識的に作らないといけない」
 
 ただ、単なるシュートマシーンに終わるつもりもない。やはり、岡崎が最終的に求めるのはゴールだ。
 
「イラク戦では決定機を決められなかったのでダメ。少ないチャンスをどれだけゴールに結び付けられるかも、テーマのひとつにしている。だから(ヨルダン戦では)強引にシュートを打つことを意識的にやりたいけど、それができなくても決定機で決める。そういうのをやりたい」
 
 日々チャレンジ──。岡崎が1トップとしてさらなる進化を遂げれば、アジアカップ連覇の芽は大きく膨らむ。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト)