前日練習の後の取材では、「1本決められれば状態は上がる」とゴールへの意欲を示した 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 もう何度目かになるひと言を、ヨルダン戦を翌日に控えた香川真司は呟いた。
 
「あとはしっかり結果を残すだけです」
 
ゴールが近づいている手応えはある。
 
「チャンスに絡めてきているのはとてもいいこと。絡めている分、あとは結果を残すだけだと思っています」
 
 4-3-3のインサイドハーフでコンビを組む遠藤保仁も、香川の気持ちを理解する。
 
「ゴールが欲しいと思うのは当然でしょう。特に中盤から前の選手は点を取りたいと思うもの。僕ももちろんそう。彼の場合は周りの期待が大きいから、いろいろな見られ方をするところもある」
 
 34歳のベテランは、周囲を諭すように続けた。
 
「もちろんひとつ取れれば、落ち着いてできるから、早い段階で取りたい気持ちはあるでしょう。でもゴールは入る時は入るし、入らない時は入らない。本人が欲しければ狙っていけばいい。その気持ちは持っていて当然ですから。もちろん僕は、彼が十分に機能していると思いますけどね」
 
 長友佑都も香川を気遣う。イラク戦を前に、背番号5はこう話していた。
 
「あれだけ攻撃にも絡み、今のポジションであれば、守備にも貢献しなければいけない。そのうえ得点も求められるのは、彼の大きさを物語っている。香川真司は日本の10番。エースである彼はどんどんそこをクリアしていくと信じているし、試合をやるにつれよくなっていくと思います」
 
 長友が話した「そこ」とは、得点を差していたのだろう。
 
 肌寒いニューカッスルから湿度の高いブリスベンへ移動し、今回はまた体感温度の低いメルボルンへ。
 
「温度差だったり、湿度の違いはあるけど、サッカーをやる環境としては悪くない。ピッチ状態もいいし、あとはやるだけ。僕自身はとくに疲労も感じていない」
 
 環境など、香川は意に反さない。そして自らのことよりも、チームの結果を強調する。
 
「攻撃の形や連動性はすごく高まっているし、精度は上がっている。その自信をしっかり持って続けながら、勝ってグループステージを突破したい」
 
 そして最後にもう一度、ゴールへの意欲を表わした。
 
「シュートを決め切るためにまずはしっかり準備をして、1本1本の集中力だったり、そういう場面で決め切れる準備はここ数日のトレーニングでしてきた。ゴール前までは来ている、チャンスには絡めているので、最後に決められるか。そこのシュート精度ですね。1本決められれば、状態は上がっていくはずです。チームとしては(グループリーグ)1位突破を目指し、そのなかで自分にチャンスがあれば、しっかり決めたい」
 
 発する言葉はこれまで変わらないかもしれない。しかし、その表情はどこかすっきりとしていたのが印象的だった。プレーの整理ができてきたことで、メンタル面のエナジーも、チャージが完了したようだ。
 
 日本の背番号10が輝く日は、きっともう間近だ。