パレスチナ戦で4ゴールを量産したこのアルダルドゥールには警戒が必要だ。 (C) Getty Images

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 2連勝でグループDの首位に立つ日本だが、決勝トーナメントへの切符はまだ手にしていない。その最後の関門となるのが、近年のアジアカップやワールドカップ予選で激闘を演じてきた因縁浅からぬ難敵、ヨルダンとの一戦である。
 
 ヨルダンは今大会、イラクとの初戦を0-1で落としたものの、次のパレスチナ戦では確実に大勝を収めた。チャレンジカップから本大会に勝ち上がった初出場の格下に対し、日本と同じく4点差の勝利。この5-1の白星に最も大きく貢献したのが、FWハンザ・アルダルドゥール(20番)だ。
 
 33分にユーセフ・モハメド(23番)が均衡を破ると、アルダルドゥールは前半のうちに2点を追加。23歳のストライカーは後半にも二度ネットを揺らし、アジアカップ本大会で1試合に4得点を奪った史上4人目の選手となった。
 
 鋭い動き出しでマークを外し、特に後半は集中力を切らしたパレスチナの守備陣を面白いように崩し、冷静なフィニッシュでゴールを量産した。日本のDFも、一気に得点王争いのトップに躍り出たアルダルドゥールから目を離すことは許されないだろう。
 
 2013年3月のワールドカップ予選での対戦時に決勝点を挙げたアハマド・ハイエル(10番)は、イラク戦後のドーピングテストで体調を崩して(検体の尿を出すために大量の水分摂取を強いられ嘔吐し、めまいを起こした)パレスチナ戦を欠場しており、日本戦の出場も不透明だ。もっとも、前述のアルダルドゥールが好調で、さらにモハメドやオダイ・アル・サイフィ(8番)ら攻守にハードワークを続ける中盤もその穴を補う。
 
 全体的にビルドアップは決して上手くないが、カウンターは鋭く、ファイナルサードでのプレー精度も低くない。もとより日本相手にはポゼッションを高めようとはしないはずで、狙いを絞ってくれば、その集中力と精度はさらに増すかもしれない。
 
 引き分け以上で勝ち抜けが決まる日本は有利な立場にあるとはいえ、ヨルダンは決して侮れない相手だ。抜かりなく臨みたい。
 
文:井川洋一