2015年最初のグランドスラム・オーストラリアンオープン(全豪)が、1月19日からメルボルンで開幕する。

 ATPランキング5位(1月19日付け、以下同)の錦織圭は、15年のツアー開幕戦であるATPブリスベン大会をベスト4で終えた後、メルボルン入り。その後エキシビションのクーヨンクラシックに出場してコンディションを整えた。

 錦織は、全豪で自身最高の第5シードになり、これはグランドスラムでの日本男子選手最高のシードでもある。

「初めて第5シードとして臨みますが、気持ち的にそんなに変化はありませんね。いつもどおりプレーすることが、結果を出す一番のカギになるでしょう。もちろんプレッシャーや責任は後からついてくることなので、あまり気にせずやりたいと思います」

 錦織の初戦の相手は、ニコラス・アルマグロ(69位・スペイン)。アルマグロは、14年ローランギャロス(全仏)1回戦で左足をケガして棄権した後、6月に手術をして戦列を離れていた。その後、全豪の前哨戦である15年ATPシドニー大会で復帰を果たしたが、1回戦で敗れている。ただ、アルマグロは、11年2月にATPランキングを自己最高の9位まで上げたこともあり、ツアー優勝12回の実績を持つ29歳。錦織との過去の対戦成績は1勝1敗で、2試合ともフルセットだった。

「(アルマグロは)シードでもおかしくない選手で、タフな相手になると思う。ケガで休んでいたとはいえ、トッププレーヤーなので、サーブが良く、フォアハンドストロークはツアーでもトップクラスのものを持っている。力強いテニスに負けないように作戦を練ってやりたい。先をまったく見ていないので、まず1回戦を集中してやりたい」

 そう語る錦織は、順当に勝ち上がると、2回戦でイワン・ドディグ(86位、クロアチア)とジョアオ・ソウザ(55位、ブラジル)の勝者と対戦する。ドディグとの対戦成績は、錦織の3勝1敗で、ソウザとの対戦はまだない。

 さらに順当に勝ちあがった場合、3回戦からはシード選手との対戦が始まる。

 3回戦では、第30シードのサンチアゴ・ヒラルド(32位、コロンビア)との対戦が予想され、過去の成績は錦織の6勝1敗。4回戦では第9シードのダビド・フェレール(10位、スペイン/錦織の6勝3敗)、準々決勝では第4シードのスタン・ワウリンカ(4位、スイス/錦織の1勝2敗)、準決勝では第1シードのノバク・ジョコビッチ(1位、セルビア/錦織の2勝3敗)と対戦することが予想される。

 15年シーズンも錦織とツアーを回るマイケル・チャンコーチとダンテ・ボッティーニコーチは、次のように錦織の現在のコンディションを語る。 

「圭のコンディションはいい。とてもいいオフシーズンを過ごすことができ、ハードな練習を積むことができました。(前哨戦の)ブリスベンでもいいプレーができて、いい感じです」(チャンコーチ)

「コンディションはとてもいいよ。オフシーズンにサーブの打ち込みをたくさんやってきたから、以前より強くなっていると思う。このことが、今シーズンいい影響を及ぼすと思う」(ボッティーニコーチ)

 錦織は、世界5位になったことで、日本国内だけでなく世界中から注目される存在になった。だが錦織は、周りの雑音に惑わされず、自分のプレーに集中しようとしている。

「今5位にいることで、正直いろいろな葛藤がある。20位前後にいた頃より考えることは多くなったが、あまり考え過ぎるのはよくないと自分で思っている。それが全部プレッシャーに変わってしまいますから。5位という看板を背負うのは、なかなか簡単なことではない。基本的には、(それを)あまり考えないようにして、自分らしいテニスをコート上でどれだけ出せるかというのが、これからトップに行くために必要なこと。この1年で、しっかりと経験を積んでいけば、メンタルもそれなりに強くなってくると思います」

 チャンコーチも、錦織がやるべきことは変わらないことを強調する。

「すべての試合がタフで、圭はそれをひとつずつ勝っていかなければなりません。今5位であろうと、(昨シーズン最初の)17位であろうと、そんなことは関係ありません。ここ(メルボルン)でタフな(決勝までの)7試合を戦うだけです」

 錦織のチームにチャンコーチが加わって2年目のシーズン。ボッティーニコーチは、このコンビネーションからさらなる化学反応が生まれることを期待している。

「チームのみんなにとっても、マイケルと一緒に取り組めることはとても嬉しいし素晴らしいこと。いいコミュニケーションも取れているよ。昨年は大きな進化を遂げたので、今年も同じようにいくことを望んでいます」

 錦織が、トップ5プレーヤーとして初めて臨むグランドスラムとなる今年の全豪。錦織の1回戦は1月20日に予定されている。かつてないほど期待が高まるなか、昨年と同様、チャンコーチら心強い味方を得ながら、錦織はさらなる高みを目指す。

神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi