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デートの帰り道、「明日は午後からの出勤でいいんだよね」と女性が言ったとします。すると男性は、なんて返すと思いますか。大抵は、「ゆっくり寝られていいね」っていうような言葉ではないでしょうか。午後からの出勤でいいから今夜は遅くまで一緒にいられるよとか、お泊まりできるんだよという女性の気持ちが、男性には伝わっていない返事ですよね。「それくらい察してよ」と女性は言いますが、男性は察することが苦手です。どうして男性には、はっきりいわないと伝わらないのでしょうか。

○人間の進化の過程にそのヒントが?

はるか昔、男性と女性にはそれぞれの性にあわせた役割というのがありました。女性はどうしても出産や育児が伴ってくるため、家や村にとどまることが多いわけです。すると、育児や料理や洗濯などといった家事が女性たちの仕事として期待されます。反対に男性の場合は、野山へ行き、狩猟をしてくるのが仕事として期待されるわけです。この伝統的な性にもとづく役割の期待が、長い歴史の中で男性の察することが苦手ということを生み出しています。

というのも、女性の場合、家や村では残っている他の女性と1日の大半を過ごします。それに対して猟に出かける男性というのは、共同で猟をする場合もあるでしょうが、基本的には1人で行動します。つまり、女性は一緒に過ごす他の女性の気持ちや真意を察することができなければ、心地よく1日を過ごすことができないわけです。しかも、火をおこしたり、水を確保したりすることが難しいという時代であれば、料理をするのも1人ではできません。他の人の手を借りなければできないということは、それだけ他の人の気持ちを察することができなければいけないわけです。それは、育児においても同じことがいえるでしょう。それに対して男性の場合はというと、基本的に猟は1人で出かけるで相手の気持ちを察する必要はありません。また、もし仲間と一緒に猟に出かけ、それを確実に成功させるためには、リーダー的存在の男性の指示に従う必要があります。つまり、明確な言葉による指示に従って行動するというのが男性だったわけです。

人の行動や心理は、生まれ落ちた瞬間から社会や文化といった周囲の環境の影響を受けて培われていく部分と、長い進化の過程で培われた部分があります。男性が察することが苦手というのは、前述のように進化の過程で培われた部分なのかもしれませんね。女性は、「男性は察することが苦手」と理解した上でコミュニケーションをとっていけば、彼氏や夫という愛すべき男性と不要なケンカをしなくてすむようになるかもしれませんよ。

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○著者プロフィール

平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。

(平松隆円)