ビットコインはむしろ、「これから」だ

写真拡大

マウントゴックス社の経営破綻など、先行きを不安視する声もあるBitcoin(ビットコイン)だが、世界的に見ればその可能性に対する注目度はむしろ、高まる一方だ。仮想通貨についての政策策定にかかわるNPOのエグゼクティヴ・ディレクター、ジェリー・ブリトー氏の寄稿。

「ビットコインはむしろ、「これから」だ」の写真・リンク付きの記事はこちら

Bitcoin(ビットコイン)の相場がここ数日急落し、この24時間でその価値の20パーセント以上が失われた(訳注:原文記事は2015年1月14日公開)。この急落がBitcoinの将来にとってどんな意味をもつのかと多くの注目が集まり、また多くの疑問が投げかけられている。しかしわたしは、この相場をあまり重要視はしていない。

というのも、Bitcoinは5〜10年を要するプロジェクトだと考えるべきだからだ。わたしたちはいま、まさにその黎明期にいるからだ。

分かりやすくするために、Bitcoinと似たものとして(あまり完全な例えではないことは容赦してもらいたい)初期のウェブを挙げて考えてみよう。

初期のウェブと同様に、Bitcoinはオープンなプラットフォームで、所有者がいないので誰かの許可を得ることなしに、誰でもその上に付け加えていくことができる。そしてこれもまた同じように、成功するためには投資家、起業家、開発者たちがインフラを整備しアプリをつくって、一般のユーザーにとって役立つようなものにする必要がある。

8年後のGoogle、14年後のFacebook

ティム・バーナーズ=リーは1989年3月、ワールドワイドウェブ(WWW)を提案する論文を発表した。翌年、彼は研究の結果をコード化し、1990年12月に最初のウェブサイトをつくった。

ウェブブラウザーが最初に人々に広まったのは、1993年にマーク・アンドリーセンと米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)のチームが「Mosaic」を発表してからである。翌年、アンドリーセンはNetscapeを立ち上げ、1994年に「Netscape Navigator」というブラウザーを発売した。

ある程度年を重ねた人であれば、56KのモデムのWinsock接続でNavigatorを使ってウェブを閲覧したことを覚えているかもしれない。その当時の経験は、今日の快適な環境とはほど遠いものだった。実際、もしこの技術が進化すると思わなければ、実用的なものではないと結論づけただろう。そもそも当時は、ウェブ上で何かを探す簡単な方法さえなかったのだ。Googleが登場するのは、1998年のことだ。

Googleはいまや世界で最も閲覧されているウェブサイトである。それに続くのはFacebookで、多くの人にとってウェブとはソーシャルネットワーキングと実質的に同義である。しかし、Facebookが創設されたのは2004年になってからで、ウェブが最初に考え出されてから丸14年も経っていたのである。

そして、ここに相似点がある。

Bitcoinの発案者(とされる)サトシ・ナカモトは、2008年の論文でBitcoinを提案した。彼は研究の結果をコード化し、2009年1月にブロックチェーンの最初のブロックをつくった。

関連記事:サトシ・ナカモト、Bitcoinとの関わりを全面否定

Bitcoinとウェブとを比較して考えれば、わたしたちがいまの段階でBitcoinに期待すべきはMosaicレヴェルのものであり、Facebookレヴェルではない、ということだ。Bitcoinはまだはじまったばかりで、BitcoinにおけるGoogleやFacebook──この技術を、一般ユーザーにとって欠かせないものとするようなキラーアプリ──は あと5年は出てこないかもしれない。

しかし、初期のウェブとは違い、Bitcoinは相場が表示され、人々は毎日それを見ては一喜一憂する。相場の急落、急騰がそのつど大きな注目を集め、破滅だとか「理由なく活気づいている」などと揶揄される。しかし、かつてアンドリーセンが指摘したように、「ドメイン名の価格がインターネットの有用性を決めたのではない」のである。

心配ない。Bitcoinの相場の短期的上昇、下落は、もっと長い期間を視野に入れて考えるべき問題なのだ。

TAG

BitcoinHistoryOpinionTim Berners LeeWIRED USWWW