3Dプリンターが「義足」の民主化を加速する

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手足を失うのは、悲劇的でショッキングな出来事だ。複数の企業からなるグループが、3Dプリンターの力でおしゃれとはいえない医療機器のデザイン性を高める取り組みを進めている。

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3/8かつて義肢を体に取り付けるプロセスは手作業による不完全なものだったが、MITのバイオメカトロニクス・ラボによる「FitSocket」がそのプロセスを代替する。

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かつて義肢を体に取り付けるプロセスは手作業による不完全なものだったが、MITのバイオメカトロニクス・ラボによる「FitSocket」がそのプロセスを代替する。

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芸術作品のような義肢を扱うBespoke Innovation。低価格の3Dプリンターを使って高性能の義肢をつくっているe-Nable。そこに、NYプラット・インスティテュートを最近卒業したウィリアム・ルーツが加わり、超軽量で“ステルス様式“の義足を3Dプリントするシステムを開発した。

Exo」と名づけられた彼らの義肢のコンセプトは、ルート氏の美学とバイオメカトロニクス、肢切断患者への意識調査の結果を合体させて完成した。

「調査の結果、デザイナーが義肢のデザインに取り組むときや企業が義肢を作製する際に、実は数多くの誤りがあることがわかりました」とルート氏は言う。

彼らはまず、患者の体組織に対する綿密な検査から始めた。そして、ルート氏が得た結論は、MITのバイオメカトロニクス・ラボが開発した「FitSocket」と呼ばれる技術を使用することだ。数多くの圧力センサーを使って患者の遺残組織の軟らかさ、硬さを測定することで、ほぼ完璧な“ソケット“、つまり、患者の体と義肢をつなぐインターフェイスを作製できるのだ。

同じデータを使用して、脚全体の三角メッシュの3Dモデルを推定する。「最小限の材料で最大の強度があり、さらに、見た目も洗練されたものになります」とルート氏は語る。応力解析ツールが脆弱な部分がどこか特定するのをサポートし、ソフトウェアによって組織のメッシュの密度は高められ、その脆弱性を補うことになる。

その結果生まれるのは、焼結チタンパウダーまたは高力プラスチックでできた真っ黒な義足だ。装着者は、まるでテレビゲームの世界から抜け出してきたかのように見える。

「義足に対する偏見は、その非人間的な見た目に理由があります。多くの補修部品企業がこの問題に取り組み、実物に近い見た目の義足をつくろうとしますが、“不気味の谷“に落ちてしまうのです」とルート氏は語る。彼にとって、肌色のゴムでできた義足は“大量生産品“のシンボルでしかない。「義足のデザインは、装着する人の体によって決定されるべきです」と彼は言う。「それぞれの義足は、その使用者と同様に独自なものでなければいけません」。

Exoの発売が実現するまでには、2つの大きな障害がある。資金とFDA(米国食品医薬品局)である。

従来の義肢は、何万ドルと高価なため、すべての人に届くものではなかった。しかし、ルート氏によれば、3Dプリンターで作製された義足の基礎材料はたった1,800ドルであるという。

彼の義足で使用されている膝・足首の関節部分は、特殊な部品となるためコストが高くなる。人の動きを機械的にサポートしてくれる関節であれば、もっと値段が高くなるかもしれない。また、試作品ではまだ、装用者の全体重を支えるだけの強度がなく、FDAの認可を得るにはデザイン上の妥協が必要になるかもしれない(そうなった場合は、価格が上がるか、もしくは見た目が格好悪くなるなどの弊害も起こりえる)。

この価格は、手作業での調整の理論上の廃止、格好良さや軽さという利点に釣り合うものだ。3Dプリンターがさらに普及すれば、患者がブートレッグ (海賊版) を使用することも起こりえる。

「Exoであれば、義足を手に入れるのに、プリント料金だけで済むことになるかもしれません」とルート氏は言う。「3Dプリント技術が進歩してさらに普及が進めば、価格は確実に下がるでしょう」。

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